[掲載日 2017/04/10]

 背中のたて髪をおろす


 肩を下げて踊る時に必要な意識は、主に肩甲骨僧帽筋を下ろすこと。肩甲骨や僧帽筋は下記の部分のことを指します。肩の下げ方の詳しくは 「肩を下げるということ」 を参照して下さい。


私はよく僧帽筋を下ろす際に「背中のたて髪を下ろす」と意識します。この意識は僧帽筋のみならず背中も尾骨も含めて意識できる良い例えだと思うのです。

「僧帽筋を下ろす」と聞くと、背中の上部分だけ下ろして満足してしまう方がいます。ウエストやお尻はリラックスしまくりで、みぞおちが開いたりお腹が出たりしてしまっては逆効果。大切なのは、意識して作るたて髪の形が正しくイメージ出来ているかどうか、たて髪を下ろす代わりに身体の芯をまっすぐ上に伸ばせるかどうか、です。
下図をみて下さい。

 青のラインは“たて髪”の形のイメージ。首以外は身体に沿わせてイメージします。(首に沿わせても良いのですがアゴを引き過ぎたり上げ過ぎたりする方もいますので) また、尾骨を前に置き過ぎると骨盤が後ろに傾斜したタックインの状態になるので、たて髪の尻尾は床へ向かって下ろす感じにして下さい。あごは軽く引いて立ちますが、動く時は胸と一緒に少し上下します。
 ピンクのラインは芯のイメージ。芯は身体の表面ではなく真ん中を通っている感覚で、たて髪を軽く下ろす力をテコにして真っ直ぐ上に伸ばします。(足はしっかり床を押して下さいね)たて髪が背中の表面にあるのと違って、芯は身体の真ん中を通っていることを感じて下さい。図にある実際の背骨の中心も背中の表面からは大分内側になっています。

 まずはバーの最初で、あるいは垂直にバランスを取る時などにこのイメージを強く感じてみて下さい。応用例としてアラベスクなどの動きを伴う時など、このたて髪を長く使う意識をすると首のスッキリした背中で形を作る事ができますよ。

但し、肩が前に行ってしまっていたり傾いたりしていると、このたて髪イメージはきちんと使う事が出来ません。両肩を引き合い胸筋を広く使うと肩は上がり難くなります。更に肩はわずかに外側へ回すと背中の両脇が使えるようになるのですが(背中の肩甲骨付近ににえくぼが出来ます)、それはまた後日別の項でお話ししますね。

  

 肩が上がってしまうくせの多くは、下腹や体幹で身体を支えたり上げたりする事が出来ない弱い筋肉の場合が多いです。または力で踊ろうとするクセのある人など。エクササイズで下腹や体幹をしっかり鍛え、力まない動きで踊りましょう!

たて髪を下ろすイメージ、上手に活用してみて下さい。


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