深層外層六筋を鍛える!


 ターンアウトを維持する上で、お尻の深部にある“深層外旋六筋”(以後、外旋六筋)は大変大きな役割をします。もちろんこの外旋六筋だけでターンアウトを実現している訳ではありませんが、バレエを踊るにはこの外旋六筋を使い続けなければならない事に他なりません。外旋六筋はとても深い位置にある筋肉ですので、外側から手で触ることは出来ませんし、外旋六筋だけ集中して強化することも中々出来ません。しかし、バレエでのエクササイズの殆どはこの外旋六筋を鍛える続ける運動ですから、バレエのレッスンをしているだけでこの筋肉を鍛えていることにはなるのです。

まず外旋六筋がどんな形の筋肉なのかを見てみましょう。下の図は外旋六筋を背中側から見た図です。外旋六筋は背中側のお尻の深い位置にあります。



 外旋六筋はターンアウトを維持し続けることを得意とする筋肉です。自分で感じられるようになるまでは意識しづらい筋肉ですが、その動きを一番感じやすいのは、バーレッスンの中の「プチ・バットマン・スュル・ル・ク・ドゥ・ピエ」(クドゥピエでのプチ・バットマン)です。クドゥピエでのプチ・バットマンを正確に行うと、大殿筋の力を抜き、外旋六筋の力で形をキープできるようになります。軸足側をしっかり整え、腰筋の両側を引き上げて骨盤を開き、膝を遠くへ離した状態で、下の図のオレンジの矢印のように深部(骨盤の底部:両側の付け根ポイント)を中心へ集める力が、脚のターンアウトを維持する外旋六筋の力となります。骨盤を立てて下腹の腸腰筋に力を入れ、大きな大殿筋の力を抜いて行って下さい。
(「プチ・バットマン・スュル・ル・ク・ドゥ・ピエ」については「プチ・バットマン」のページを参照。)




<外旋六筋強化のエクササイズ>
 次に、練習の補助として外旋六筋をダイレクトに鍛えるエクササイズをご紹介します。あくまでも補助ですので外旋六筋を使う感覚はプチ・バットマンなどの練習で身に付けて下さいね! 



エクササイズで使用するゴム紐等を用意して下さい。(ゴムは平ゴムでも大丈夫です。)
図のようにゴムを足と足首へ巻き付けて、ゴムの片方を柱などに結んで下さい。

床に腹ばいに寝て、片脚を伸ばし、もう一方の片脚は膝で折って足を上へ向けます。
ゴムは足首に対して真横から引っ張る状態にして下さい。

まずは左図のように、膝の位置は変えないようにして、足を軸足側へ倒す様にゴムを引っ張ります。大殿筋の力は抜いたままで行います。(お尻を手でつかんで行うと大殿筋に力が入っているかが確かめられます。)この運動を繰り返して下さい。

次に、右図のように膝を少し開いた状態で、足を倒してゴムを引っ張ります。膝を開き過ぎないようにして下さい。この運動を繰り返すと、自分でお尻の深部に力を入れられるようになって行きます。その力の入る場所が外旋六筋の位置となります。


外旋六筋は大きな大殿筋に力が入っていると活躍しづらい筋肉です。しかし脚の形の維持にはとても大切な筋肉ですので、きちんと骨盤を立て、腸腰筋に力を入れて大殿筋の力を抜き、付け根ポイント(あるいはお尻の下側深部)を中心へ集める感覚で、鍛えて下さい。

2016.05.20 追記:上記以外にも床に横になって、体を横にして片足でルティレの形を作り、ルティレの膝を閉じたり開いたりするだけでも外旋六筋は鍛えることが出来ます。下腹を使って身体を真っ直ぐにして行って下さいね。)

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