『コッペリア』
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<古くても“これが1番!”の『コッペリア』> 上演:1990年 シドニー・オペラハウス 振付:A・サン=レオン&M・プティパ /ペギー・ヴァン・プラーグ改訂版 主演:リサ・パヴァーン & グレッグ・ホースマン 『コッペリア』の映像の中では「これが一番好き!」と言う方が大変多いのではないでしょうか?シンプルでオーソドックスな振付で、発表会などで踊られる振付には一番近い映像だと思います(最近は改訂される先生が多いので言い切れない部分はありますが)。 美男美女の主役2人は踊りもマイム表現も申し分ないですし、脇のソリスト達も大変レベルが高い。コールドも気持ち良くて素直に楽しめる舞台で私は大好きです!英国ロイヤルやパリ・オペラ座の技術的には少々劣るかも知れませんが、丁寧に良く踊られていて、とても素直な振付で楽しく気持ちよくご覧になれると思います。 主役のリサ・パヴァーンはテクニックも安定していて素晴らしいのですが、第2幕のスパニッシュやスコティッシュ・ダンスも人形の振りをしている雰囲気を良く出していて大変豊かな表現力です。まさに絵本から出てきたスワニルダという感じ。お手本になるスワニルダだと思います。 通常は第3幕に踊られる「戦い」の踊りが、第1幕に移動して青年たちの踊りになっており、こちらも観どころ! オーストラリア・バレエはコールドが大変気持ち良く揃っているので、作品的にもまとまりのある印象です。 残念ながら映像が古いこともあって少しボケ気味なのですが、視聴には問題はありません。直輸入版ですが国内のデッキで再生可能、ストーリーはこちら(ウィキペディア)を参考にして下さい。 『コッペリア』を初めてみる方にはぜひおススメの作品です! 今では在庫切れかも知れませんが、DVD付き解説本も発売されています。古本屋さんやオークションなどでも取扱うことがあります。 |
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Kバレエ・カンパニー 『コッペリア』 ![]() Amazon 国内版[DVD] Amazon 国内版 スマホ用 楽天市場 |
<熊川版 とにかく凝っている!『コッペリア』> 上演:2004年 Bunkamuraオーチャードホール 振付:熊川哲也 版 主演:神戸里奈 & 熊川哲也 コッペリウス:S・キャシディ /ジプシー女:吉田恵 祈りの踊り:康村和恵 /ブライドメイド:長田佳世 とにかくとーっても凝っている「楽しい」バレエです!さすが熊川作品!細部までキチンと造られており満足させてくれる構成&演出でした。踊りもマイムも盛り沢山で、演劇的なので子供が観てもとても楽しめる作品です。舞台全体もノリが良く、コールドはピッタリと揃いまくりです。 踊りは、やはり熊川さんのやんちゃなフランツが魅せてくれます!熊川さんは王子よりやんちゃなフランツやバジルの方がずっとお似合い。Kバレエならではの男性の踊りも沢山あって見応えがありますよ。 スワニルダの神戸さんは好みの分かれるところではあると思うのですが、勝気で可愛いスワニルダを好演。私的にはもう少しキレの良さが欲しいのですが、日本人のスワニルダとしては上出来でしょう。 第1幕の踊りを盛り沢山にしたせいか、第3幕には同じ作曲家ドリーブの『シルヴィア』から曲を流用しています。「祈り」の康村さんも難しい振付をよくこなしていますし、ブライドメイド:ソリストの長田さんも綺麗でした。 私としては第1幕に出て来るジプシー女の吉田さんが素晴らしかったです!日本人にジプシー役は難しいのですが、大変良く表現されていて踊りも迫力があり日本人は離れ。ぜひ注目して下さい。 キャシディがコッペリウスだなんてもったいないような気がしますが、このコッペリウスが舞台を盛り上げて行くのですね。さすがキャシディ! とにかく親子で楽しく鑑賞できる『コッペリア』だと思います。 |
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<こんな正確なステップは観たことがない!『コッペリア』> 上演:2000年 コヴェント・ガーデン王立歌劇場 振付:イワーノフ&チェケッティ /ニネット・ド・ヴァロワ版 主演:リャーン・ベンジャミン & カルロス・アコスタ こちらも一般的にイメージされる振付で構成されている作品です。第1幕のスワニルダのソロでは一番コンクール用の振付に近いかも?リャーン・ベンジャミンによって軽やかに踊られています。 主役2人は大人びたイメージのダンサーですから「大人の作品」のイメージ?ベンジャミンはテクニシャンではあるのですが少々粗い面も、アコスタは貫録いっぱいで素晴らしいパフォーマンスなのですが、この作品ではあまり踊るシーンが少ないのでもったいないですね。この版では第3幕のフランツのヴァリエーションは「戦い」の曲を使用しています。残念ながら2人の呼吸が少し合わなく感じるのはベンジャミンが吉田都さんの代役でこの映像が撮られた為なのかも知れません。 しかし、さすが英国ロイヤル・バレエ、文句なしの作品ですよ!やはり演劇的でとても楽しい。衣装は可愛いチロリアン・イメージの衣装です。 そして驚くのはロイヤルのダンサー達のステップです!マズルカやチャルダッシュのステップは、実は正確に踊るととても難しいステップなのですが、この舞台のダンサー達はとーっても正確で綺麗!揃った赤いブーツが大変映えるテクニックです。 日本ではあまりしっかりキャラクターダンスを教えませんが、古典バレエではとても多く踊られるダンスなので、ロイヤルやオペラ座、ワガノワのバレエ学校などではしっかりと訓練をします。日本ではKバレエのスクールがキャラクターダンスの指導をしっかり行っているようですね。(もちろん他校でも行っていると思います。) コッペリアにはポーランド舞踊のマズルカ(3拍子)とハンガリー舞踊のチャルダッシュ(2拍子)が沢山入っています。これらの踊りをとっても楽しく美しく観ることが出来て、ポアントのバレエシーン以外のお楽しみも満載ですよ。これぞ『コッペリア』!キャラクターダンスを学ぶにも良い教材だと思います。 |
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パリ・オペラ座 バレエ学校 『コッペリア』 ![]() Amazon 国内版[DVD] Amazon 国内版 スマホ用 楽天市場 ![]() Amazon 国内版[DVD]特典付 Amazon 国内版特典付スマホ ![]() ディアゴスティーニ バレエDVDコレクション54号 |
<優等生たちの可愛い『コッペリア』> 上演:2001年 パリ・オペラ座ガルニエ宮 振付:A・サン=レオン /ピエール・ラコット&クロード・ベッシ―版 主演:カリーヌ・ギーツェンダナー & マチュー・ガニオ コッペリウス:ピエール・ラコット とても可愛い生徒たちの公演です。原典に合わせてラコットとベッシ―校長が作り直していますので、第3幕のお祝いのシーンが無い作品となっています。そのせいか少々物足りなさを感じてしまいますが、子供達の踊りはさすがのパリ・オペラ座付属学校!大変高いレベルと言えるでしょう。バレエを習われているお子様方には良いお手本になるのではないでしょうか?但し、振付はラコットのオリジナル版ですのでオーソドックスな振付とは異なり、発表会等の参考になるかどうかは判りません。 主役のスワニルダの踊りが中心ですのでポアントを履いたバレエのシーンは少な目ですが、大変凝った衣装や美術で当時の雰囲気がとても良く表されています。こちらもキャラクター・ダンスに重点が置かれており、子供達が様々なダンスを披露しています。 ポアントのシーンもスワニルダと友人のシーンで大変よく踊られていますし、児童のレベルに合った良い振付です。スワニルダはやはり高度な技も入っており見応えもありますよ。主役のギーツェンダナーはとても上手にこなしています。 そしてこのビデオの注目の一つはやはり現エトワールであるマチュー・ガニオの若い頃の映像が見られるところでしょう。残念ながら踊りは少な目ですが、ヴァリエーションもありますし、マイムなども本当に彼が非凡な才能を持って生まれたことを納得させられる映像です。大人顔負け! 高難度な見応えのあるプロの公演とは比較できませんが、バレエ学校の公演という舞台としてはとても興味深く、また可愛い子供たちの姿を楽しめる映像だと思います。(ただちょっと…お値段が高過ぎるような気も…。) ※お値段はお高くなりますがバレエ学校のドキュメンタリー映像が付いた特典映像付きのDVDも発売されているようです。 また、現在では廃番ですが、ディアゴスティーニのバレエDVDコレクション54号はこのコッペリアの作品です。オークションや古本屋、中古ショップで手に入るかも知れません。 |
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<異色であまり受け入れられない『コッペリア』> 上演:2011年 パリ・オペラ座ガルニエ宮 振付:A・サン=レオン /パトリス・バール版 主演:ドロテ・ジルベール & マチアス・エイマン コッペリウス:ジョゼ・マルティネス スパランツァーニ:ファブリス・ブルジョア オーソドックスな『コッペリア』とは異なる演出の作品です。第1〜2幕はほぼ原作の内容に添っていますが、原作に添っている為なのか?お楽しみの第3幕は殆どありません。背景もトーンを落した色調となっています。 この作品はコッペリウスの人格を2つに分けていて、人間らしいコッペリウスをジョゼが、魔術師的な怪しい人格のコッペリウスを新たに作られたスパランツァーニという役(原作『砂男』では学者として登場。原作ではコッペリウスの役はこのスパアランツァーニに当てはまる。)でブルジョアが演じています。 内容的にはスワニルダとフランツ、そしてコッペリウスの三角関係を示唆しているような雰囲気が感じられます。ジョゼのコッペリウスがとてもカッコ良い年上の青年なので、若造のフランツよりスワニルダには少し魅力的に見えている様子がよく感じられます。下記のプティ作品とは違う意味でコッペリウスにスポットを当てた作品。 ダンサー達はもちろん素晴らしい!です。可愛いドロテにスワニルダはピッタリですし、若造っぷりを演じるエイマン、かっこ良すぎるジョゼはちょっと主役を食い過ぎなくらい。技術や踊りを観るだけなら、もう完璧!!やっぱりオペラ座のクオリティです。とっても見応えがありました。 私が受け入れられない点は、こちらが期待する『コッペリア』の快活さがあまりに感じられない演出なのです。新しい『コッペリア』を作るなら全く異なる趣きでも良いのですが、中途半端に古典?の『コッペリア』を踏襲している。また、あまりに振付が細かく凝り過ぎていて目にうるさく、せっかくのキャラクター・ダンスもちっとも楽しそうに見えない。これでは牧歌的な美しいドリーブの名曲が全く生きて来ません。振付も同じような振付やシーンの繰り返しで退屈。衣装も街中なのか村なのか、どんなシチュエーションなのかもはっきりしない。麦穂の踊りも麦穂の音を聞くしぐさがないので、突然麦の束を運んで来て何の意味があるのか良く解かりません。(おそらく設定の解説などを読めば納得できるのかも。)『コッペリア』ってもっとのんびりで楽しい雰囲気いっぱいの作品の気がするのです。 辛口に書きましたが、踊り手のクオリティは本当に高いのです!購入されて損はないと思います。もちろん、こういう作品がお好きな方も多数いらっしゃると思いますのでご紹介はしておきますが、でも最初に観る『コッペリア』はこれではない方が良いのではないかと私は思います。 直輸入版のDVDやブルーレイもリージョン・フリーで発売されています。(Amazonでは北米版ブルーレイをリージョンBと表示していますが北米版ブルーレイはリージョンフリーです。裏面を確認して下さい。) ※現在、この作品が含まれるお得な直輸入版DVD・BOX「THE FAIRYTALE BALLETS」が発売されています!!ぜひご検討下さい。 |
番外 |
マルセイユ・バレエ 『コッペリア』 |
<コッペリウスに魅せられる『コッペリア』> 上演:1975年 マルセイユ歌劇場 振付:ローラン・プティ 主演:カレン・ケイン & ルディ・ブリアン /コッペリウス:ローラン・プティ 大変申し訳ないのですが、この映像は販売されていないので現在は購入することが出来ません。私は以前CSで放送された映像で視聴しました。大変素晴らしい作品ですのでCS等の再放送や、もし周囲にお持ちの方がいらしたらお借りして、ぜひ!ご覧になってみて下さい。古い作品ですので映像が粗いですし、ダンサーの技術も現在には劣ります。しかしダンサー達の個性がいい!バレエ・ファンにはぜひ一度ご覧になって頂きたい作品のひとつです。 これはローラン・プティの持ち味が100%満喫できるような、プティの完全オリジナル作品。舞台は街中の設定になっており、振付もプティらしい洒落て小気味の良い振付けになっていまます。とにかく振付が面白い!プティは本当に偉大な振付家だと思います。 しかし何より素晴らしいのはプティのコッペリウスです!この作品の主役はコッペリウスだったのでは…と思わせるような演出になっています。古典作品もこのようにリニューアルされるなら大歓迎だと思います。本当に可愛い作品です。DVD化をぜひ切望!!! プティの『コッペリア』は1995年の日本公演の映像でも放映された事がありますので、その映像をお持ちの方もいらっしゃるかも知れません(コッペリウス:プティ、スワニルダ:アスィルムラートワ)。最近では新国立劇場がレパートリーとして取り入れていますが…、やはりせめてマルセイユ・バレエの再演で観たいところですね。でも今のマルセイユ・バレエではもうニュアンスが違ってしまうかも。チャンスがあったらぜひご視聴を。 |
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