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掲載日:2019/08/13
■ 「レオタードの洗濯」 
 
 夏のレッスンは爆汗との戦いっ! ただでさえ汗っかきな私は夏のレッスンともなると、化粧は溶けて目に入り、床の汗を拭きまくり、帰宅後はすぐに汗で搾れるようになったレオタード類の洗濯!に苦しめられています。

レオタードに限らず汗の匂いって中々やっかいな代物で、最初はきれいに取れた気がしても段々と蓄積され、更にしばらくタンスにしまっておくと独特の臭気に変化します。綿のレオタードも匂いが蓄積するのですが、最近の化学繊維の素材も中々の匂いになってくれます。

<レオタードの洗濯方法>
レオタード洗いの基本は「中性洗剤で手洗い」です。でも、超多忙な中でそんなに時間が掛けられない方も多いですよね?それに洗濯までの時間が経てば経つほど汗の匂いは落ち難くなってしまいます。

でもね、レオタードって元々は“運動着”なんですよ。だから、最近のデコラティブな凝ったデザインは無理ですが、飾りの付いていないようなレオタードなら裏返してネットに入れて弱洗いモードの洗濯機洗いでも結構大丈夫なんです。(でも自己責任でやって下さいね A(^^;)) 昔の大手メーカーのレオタードってかなり丈夫だったので(厚手でしたけどね)、キャミソール・タイプ以外はネットにも入れないで洗濯機に放り込んでいましたよ。傷みより“色落ち”の方が問題!ですよね。

<色落ちの原因は日本の水道水>
 “色落ち!” 国産メーカーのレオタードって結構マシなんですが、海外メーカーのウェアってか〜なり色落ちします。これは日本の水道水の質に関係があるとも言われています。欧米では硬水、日本は軟水でおまけに水道水は塩素が高めの地域もあり、これらが原因で衣料の色落ちが発生しやすいんです。

硬水軟水の違いって、含まれるミネラル等の鉱物の量の違いなんですが、軟水の方がずっと洗濯に適した水質なんです。洗剤が良く溶けて、汚れと一緒に線維からも落ちやすいの。でもだから、汚れも落ちるけど色も落ちる、そんな現象なんですね。国産メーカーの製品は水質を考慮した染色方法を使っているから海外の物より色落ちし難いんです。但し、染色の発色は硬水の方がいいそうです。だからイタリアの生地などはとても素敵な色が出るでしょう?バレエ団で言えば、ミラノ・スカラ座の衣装の色はダントツに凝っていますよね。

なので、洗濯する時は濃い色のウェアは分け洗いが必要になって来ます。
私の友人のママ・バレリーナさんは「手洗いなんて絶対無理!」と言って、自分と娘さんのレオタード類は薄い色で華奢でないものに統一しているそうです。「レオタードはタイツもスカートも下着と一緒に洗濯機で洗う(弱洗い)」と言ってました。ま、洗濯の仕方は人それぞれですが。

<ねずみちゃんの出現>
 余談なんですが、例えば発表会などでちびっこ達全員に黒のレオタードを買って貰ったとします。しばらくすると、黒いレオタード群の中に数人“ねずみちゃん”が出て来るんですよね。で、お母様にどうやって洗濯しているかを聞くと、「普通に洗濯機」という回答が十中八九返ってきます。濃い色のレオタードを衣装で使う時には、本番前にはあまり着用させない方がいいみたいです (^m^)b。

<色落ちさせないコツ>
 色落ちに話を戻しますと、色落ちをさせないコツは、「高い水温で洗わない」「長く洗濯水に漬けない」「あまり乱暴に押し洗いしない」「中性洗剤をつかう」「日陰干し」、という感じでしょうか。

「高い水温で洗わない」という点は、人肌程度の温度の水温で洗うのが良いとされています、冷たい水の場合は皮脂汚れが落ちづらくなりますので。すすぎなどは冷水でも大丈夫です。

「長く洗濯水に漬けない」: 物によっては真水でも色落ちする製品がありますので理想はやはり手荒い程度の時間。でもね、少し匂うようになった衣類はやはり漬け置きしなくては匂いが取れないんですよ〜。ですので私は(あくまで自己責任で)、10〜15分程度漬け置きをしています。薄い色の場合はネットに入れて洗濯機ですけれどね。

「あまり乱暴に押し洗いしない」: これは色落ちだけではなく毛羽立ち(光沢が弱くなる)やほつれ等の原因にもなります。でもね〜、これも漬け置きが長く出来ないのですから、まあまあ掻き回して押して洗濯しています。ほつれる縫製はやがてほつれるし、毛羽立ちよりも匂いが取れない方が嫌じゃないですか?

「中性洗剤で使う」: 以前ならお洒落着洗いの「アクロン」とか「エマール」とかで洗っていましたが、最近の液体洗剤って結構優秀で意外と液体洗剤の方が色落ちしないことがあります。ちなみに私はアタックの液体洗剤を使っていて、最近は殆どこちらで洗ってます。しかし製品にもよるので、怖い場合は必ず試し洗いをしてからにして下さいね。

「日陰干し」: 「レオタード類なんて絶対に部屋干し!」という友人がいますが、私は結構日陰の下の外干しをします。やはり外干しの方が風が当たるので匂いが付きづらい。部屋干しすることも多いですが、柔軟剤などを工夫してもやっぱり部屋干しの方が匂うようになるみたいです。

<干す時にも気をつけて>
 さて、無事に洗濯が終わったとして、ピンチハンガーなどに掛ける際、キャミソール型などは必ず胴体部分をピンチに挟むようにして、肩ひもゴムや腿周りゴムを伸ばさないように気をつけて下さい。外干しの場合はひっくり返して表地は中へ向けるようにしましょう。ちょっとした気遣いで長持ちに差が出ますからね。

<レオタードは消耗品>
 レオタードなどのウェアはあくまでも消耗品です。傷んで来たら後ろ髪引かれても新しい物に交換しましょう。大好きだったレオタード等なかなか捨てづらいのですが、取っておいても元には戻りませんし、だらしなく伸びたりほつれたりしたウェアは自分をきれいに見せません。ほつれも気になるとレッスンに集中出来なくなりますしね。ちなみにね、「いつか痩せたら着よう!」と思っていたレオタードも、私の場合は結局いつまで経っても着れませんでした。長く仕舞っている内に染みになったりゴムが伸びたりしたので、1〜2年頑張っても着れないウェアは人にあげるか売るなどして早めの処分をおススメします。

<臭くなってしまったら>
 もし、ウェアが臭くなってしまったら、廃棄覚悟!で以下を一度試してみて下さい。

色落ちしない液体洗剤ワイドハイター等の酸素系漂白剤を混ぜて、20〜30分漬け置きします。その後洗って、日陰で外干しして下さい。(薄い色なら色落ち覚悟でしばし直射日光にさらすくらいで。紫外線は除菌と消臭効果があります。)
これでも匂いが落ちない時はあきらめましょう。

<その他>
それと、首回りに金具など付いているレオタードの場合は必ず止めてから洗うこと!傷みの原因になります。
脱水は短時間で済ませて下さいね。弱脱水の出来る場合は必ず弱脱水モードで!
黒・えんじ・紺(・紫)の色は特に色落ちしやすいです。最初に洗う時は手洗いで洗い、そのレオタードがどの程度色落ちするのかを把握しておきましょう。何度洗っても色落ちし続ける製品も多いですから気をつけて!
汗の成分は水よりも色落ちを起こし易いです。レッスン中も汗でウェア同士で色移りすることがあります。持ち帰る時もビニールの中で色移りしないようにしましょう。

 私は、洗濯機洗いの時は帰宅してすぐ、手洗いの場合は入浴と一緒に洗ってしまっています(すっぽんぽんでゴーシゴシ!)。汗汚れは放置すると酸化して落ち難くなりますので、出来るだけ早めに洗ってしまいましょう!
夏の曇りの日などにタンスのウェア類を一気に洗って日陰干しするのも良いですよ
(^^)v

 以上が私のレオタードお洗濯方法です。他にも効果的なお洗濯方法があるかも知れません。皆さん、色々と試してみて下さいね。

チャコット「レオタードのきれいな着方とお手入れ方法 」