■ レッスンの消費カロリーはご飯1杯分! レッスンの後は歩いて帰ろう

<レッスンの消費カロリーはご飯1杯分!>
 バレエの1レッスンの消費カロリーって、大体ご飯1〜1.5杯程度ってご存知でした?
バレエのレッスンは毎回動きが異なりますし、年齢・性別・体重等の他、動く人の筋肉量や技術の熟練度によっても消費するエネルギーは大きく変わりますので、簡単に算出は出来ません。しかし、おおまかに概算するとバレリーナの1レッスンでの消費カロリーは、250〜400kcal 程度というのが大体の説の様です。
ご飯1杯のカロリーを約240kcal として計算すると、"プロ"のバレリーナでの消費カロリーはご飯1〜1.5杯分となるのです。プロでこの消費ですので、私達素人の体での1レッスンの運動量などせいぜいご飯1杯未満程度なのではないかと思われます。

<バレエのレッスンでは痩せられない>
バレエのレッスンって、とても疲れる割にはあまりカロリーを消費してくれないのですね〜。バレエのレッスンを「有酸素運動」だと誤解されている方!バレエのレッスンは「有酸素運動」ではありません。基本的に「有酸素運動」となり得るのは、呼吸を行いながら、通常より少し多い程度の心拍数で、継続して動き続ける運動のことです。レッスンは筋力トレーニングの要素は大きいのですが、止まって動いての繰り返しですので、有酸素運動にはなり得ません。

これが「踊り」となると、ほぼ動き続けとなるので有酸素運動の要素は断然上がり、消費カロリーも飛躍的に増えて行くそうです。とは言え、止まらず踊り続けるのもせいぜい15〜20分が限界?やはりマラソン選手のようにはなりません。

大体、バレエでダイエットができるのならば、世の中のバレリーナ達があれほど体重の煉獄に苦しむことなどないわけです。バレリーナやダンサーはアスリートと一緒ですから、持久力の落ちる「栄養素を取らないダイエット」など出来ません。栄養を取りつつ、カロリーを消費しやすい筋肉(インナーマッスル)質の身体でありながら更に体重を落とさなくてはならない・・・へとへとに疲れていても爆食い出来ない?・・・地獄ですね。(中には結構食べちゃうダンサーも多いですが(^^;))

<筋肉は脂肪の中に埋もれている>
 「運動をして筋トレをしていれば、いくら食べても大丈夫!」・・・大ウソです! お相撲さんを見て下さい、脂肪にかくれて判りませんがすっごい筋肉がついていて動きも俊敏。やっぱり食べるカロリーが消費を上回ると脂肪は付いてしまうのです。
脂肪を取る為に一生懸命筋トレだけを行う方がいますが、筋トレだけでは脂肪は殆ど落ちません。脂肪は筋肉には変化しないからです。CMなどで行っている「ビフォー&アフター」は必ずと言っていいほど有酸素運動も一緒に行っているはずです。
(訂正:2018/03/09 最近では筋トレだけでボディを作るエクササイズが認められて来ています。有酸素運動は脂肪燃焼にもちろん効果はありますが即効性を考えるならば筋トレの割合を増やす方がボディメイキングには効果があります。)

時々「私は筋肉の形が見えていない(出ていない)から筋肉が付いていない」と誤解して落ち込む方がいますが、数年きちんとバレエを続けていれば皆さんそれなりに筋肉はちゃんと付いています。脂肪に隠れて見えないだけ。ですので余計な脂肪は除去しましょう! 逆に、痩せていて筋肉の筋が見えているのに、動くと結構ふわふわの力無し子ちゃんも多いです。
もっとも、バレエの筋肉って細いインナーマッスルが主(あくまで理想)なので、筋肉の形が出にくいという事は言えると思います。でもダンサーの手足って実はかなり筋張っていてゴツゴツが多い。脂肪を減らしているので筋肉の形がそのまま出てしまうんですね。筋張った脚を隠してくれるタイツはクラシック・バレエには必需品です。

<ふくらはぎが“ししゃも”>
 余談ですが、「脚が"ししゃも"になるのは嫌!」というジュニアが結構いますが、コンテンポラリーさえポアントで踊る今、ダンサーにとってふくらはぎが「子持ちししゃも」の状態になるのは、「勲章」であって決して悪い事ではありません。ふくらはぎから足首に掛けてきちんと細く締まっているのは正確な訓練の賜物です(脂肪でかくれていれば見えませんが・・・欧米人に比べ日本人は脚に脂肪が付きやすいので太く見えてしまうんですよね)。もちろん筋肉が太くなり難い筋質の方もいますので、「子持ち」部分が目立たないからと言って嘆くこともないですよ。正しい訓練をしていれば、たとえふくらはぎが大きくなってもボディビルダーのような太さにはなりません。
(但し!ふくらはぎの筋肉が、力を入れていないのに固くなっている人はレッスンでの力の入れ過ぎです。筋肉は力を入れて緩めてを繰り返して育てると良いやわらか筋肉になります。緊張させ続けずに、きちんとプリエなどで緩めましょう。)

<脂肪燃焼に最適なタイミングは?>
 さてここからが本題です。
加齢と共に増して来る身体の脂肪ですが、きれいな身体を手に入れるには適度な食事量に加え、筋トレ等の無酸素運動と、エアロビ等の有酸素運動の両方を行わなければなりません。食事制限だけなんて、たるんだ身体が出来上がるだけで決して美しいシルエットなんて手に入りません。

ではいつ運動に適したタイミングはいつか? 
脂肪を燃焼させるのに理想的な環境は下記の通り。

1.食後3時間以上経過している
2.筋肉トレーニングを済ませている
3.体温が平熱より少し(わずかに)上がっている
4.身体が柔軟になっている

思い当たりませんか?この環境。
そう! レッスン後の身体の状態が脂肪燃焼にはベスト〜!!! なタイミングなのです!
通常の生活でこんな状態はめったにない。(^O^)b

では詳しく解説します。

(1.食後3時間以上は経過している)
 普通、運動をする場合は(少量の食べ物の摂取は別として)食事の直後に運動を始める人はまずいません。食休みをしないと身体に悪い事は誰でも知っています。また、通常レッスンを行う際には、移動時間と支度や着替え、ストレッチの時間などを合わせて大体1時間以上は経過していることが多いです。そこに約1時間半程度のレッスンを行い、クールダウンや着替えの時間を加えれば、レッスンの後はほぼ食後3時間以上は経過していることになります。

なぜ食後3時間以上の経過が必要なのかというと、身体に付いた脂肪を消費する為には、血液中にエネルギーの元となる糖と脂肪が不足している状態でなければなりません。血液中にそれらのエネルギー源があれば、筋肉はそれを使ってしまい、皮下脂肪や内臓脂肪から消費してくれないからです。従って脂肪燃焼に適しているのは、食後3時間以上の"軽い"空腹時が良いのです。この時間帯であれば血液中の糖や脂肪はほぼ無くなり、運動を行えば身体に蓄えた脂肪や筋肉からエネルギー源を供給するようになります。

(2.筋肉トレーニングを済ませている)
 有酸素運動を効率的に行うには、事前に無酸素運動である筋肉トレーニングをしている方が効果的だそうです。バレエのレッスンでは、バーレッスンはインナーマッスル強化の筋トレに相当し、センターでのジャンプなどは表層筋のアウターマッスルを強化する運動となりますので、とても良い筋肉トレーニングと言えるでしょう。

なぜ筋トレを先に行うべきなのかというと、筋トレを行う事により脂肪や筋肉からエネルギー源が血液中に排出されるからです。筋トレを行わずに有酸素運動を行ってもエネルギー源は血液中に供給されますが、徐々に行われるため脂肪燃焼の効率的には劣ります。先に筋トレをして、すぐに脂肪の燃焼が開始されるようにしておく方が同じ時間でもより多くの脂肪が燃焼されるのです。筋トレで筋肉から栄養素が溶かされても、その栄養素は肝臓で再生されてまた筋肉へ戻りますので、筋肉が弱くなることはありません。

(3.体温が平熱より少し上がっている)
 脂肪を燃焼する為には体温が平熱より0.3〜0.5度くらい高めであることが理想です。あまり高過ぎても効果が落ちるので、夏はレッスン後に少しクールダウンをしてからの方が良いかも知れませんが、とにかくレッスン後には汗などかいて体温は上がっていますよね?この時の高めの体温が代謝を促進し脂肪燃焼には理想的なのだそうです。

(4.体が柔軟になっている)
 身体が柔軟になっているということは、身体中の筋肉や関節付近に血液が充分に送られる状態になっています。血液がたっぷりと筋肉に供給されることにより、より良い代謝と脂肪燃焼、更には疲労回復が行われます。

そしてこんな理想的なタイミングで手軽に行える有酸素運動といえば、やはり「ウォーキング」でしょう! レッスンの帰りにちょっと足を延ばして、少し速歩きで回り道して帰宅しませんか?

<ウォーキングのススメ!>
 「ひぇ〜!レッスン後にウォーキングなんて疲れて無理!!」と思っている貴女、まずはやってみて下さい。実はレッスン後は疲れているように感じていますが、「着替え」という一休みを行ってからは、動き始めると結構身体は軽く動けるんです。レッスン後にショッピングなんてしませんか?それの延長線上です。

もちろん、強化レッスンやリハーサルなんて行った後は無理かもしれませんが、通常の1レッスン後くらいでしたらエネルギーはたっぷり残っているはずです。
しかも身体はアップした状態になってますから、すぐに速歩きのスピードで開始出来ます。

速歩きの消費カロリーは大体30分で約120kcal。ご飯半分程度でしょうか。30分のウォーキングって長いように思われますが、慣れてしまうとそれほど苦ではありません。それでも120kcalの消費って、通常の生活の行動では中々できないのですよ。もちろん慣れたら時間も延ばして1時間以上でも構いません。逆に20分でも効果はありますよ。レッスンで脂肪を燃焼しやすいインナーマッスルを作り、帰りのウォーキングでドンドン!燃焼を促進させましょう!
但し、重い荷物を持って長い時間を歩くと腰や膝の負担になります。大荷物の時は控えましょうね。
バッグはリュックがお勧めです。(※リュックは背中に重みが加わり、ついお腹が前へ出がちになります。コア(丹田)を中心へ引き寄せ、コアの上に肋骨の中心が乗るような、そんな感覚で歩くと長く歩けます。リュックの紐は短め、視線はしっかり上げて歩きましょう!)

<飢餓状態での運動は逆効果>
 ところで、流行の「炭水化物(糖質)ダイエット」ですが、バレエ筋を保っていたいなら炭水化物ゼロは絶対にダメですよ!適度な糖質エネルギーを取らないで運動を行うと、身体は早くエネルギー源となる筋肉から必要な栄養素を溶かして使ってしまいます。通常、筋肉から栄養素が溶かされて使ってしまっても再生されてその栄養素は筋肉へ戻る構造になっています。しかし糖質エネルギーが不足していたり、空腹過ぎて身体が飢餓状態になっていて、そこで運動というストレスを加えると筋肉が再生されなくなってしまうそうです。食事制限やレッスンもやり過ぎはやはり逆効果ということですね。適度な栄養状態であれば、有酸素運動では身体は血液→内臓脂肪→皮下脂肪→筋肉の順でエネルギー源とするはずです。

食事は「食物繊維(野菜)→タンパク質(お肉や魚)→炭水化物(お米やパン・パスタ等)」の順で頂き、炭水化物は少な目(でもゼロではダメ)に食べましょう!また寝起きは身体が飢餓状態になっていますので、朝のジョギング等は開始30分以上前に牛乳や野菜ジュース等の適度な栄養(糖質)を取って下さい。(糖質は野菜ジュースにも含まれています。「糖質」であって「糖分」ではないですよ。)
朝のウォーキングもレッスン後ほどではないにしろ、ちゃんと良い状態で脂肪燃焼をしてくれますし、自律神経にも効果があるそうです。腰や膝に疲労が溜まるバレエ愛好者にはランニングやジョギングよりウォーキングがおススメです!軽いストレッチと筋トレを先に済ませてから始めて下さい(ごく軽くで大丈夫)。朝のウォーキングは30分〜1時間が理想。長く歩き過ぎると疲労で1日のバランスが崩れ易くなるそうです。

<お茶会は我慢して、妄想の世界へ!>
 「レッスンの帰りはお楽しみのお茶会なの〜・・・」。 解かります!私もレッスン後のお仲間とのおしゃべりは大好きです!!しかし、ちょっと待って!毎回お茶に参加しないで、ぐっと我慢して2回に1回はウォーキングに充てたとしたら、ウォーキング慣れをして、他のタイミングでも「あら、20分くらいなら歩いてしまおう」と思うようになるのです。その歩行においてもレッスン後ほどではなくても脂肪は代謝されます。(また、飛び飛びでのお茶会参加を許さないようなお仲間とは、さっさと距離を置きましょう。行く末に暗雲が立ち込める可能性が高いです。)

またもや余談ですが、あるスタジオの帰りに私は最寄駅ではなく一駅先の駅まで歩いて帰ることが良くあります。昼の住宅街なので静かでお庭の花などがとてもキレイです。イヤホンで音楽など聞きながら心は踊る妄想の世界へ〜!妄想でなら私がプリマですから(^m^)v。
陽気が良くなるとお茶を優先させるお仲間の中にも「今日は私も歩く!」と言ってついて来る方が増えるのですが、これは楽しいのですが、残念ながら実際にはウォーキングの邪魔なのです(--;) ウォーキングはあくまでも自分のペースを保って速歩きが大切なのに、ついおしゃべりに気を取られ歩みが亀に・・・。まあ、これもご愛嬌ですね。子供の頃はよく仲間と踊りながら帰ったものです。
今では駅の階段を見ると「よし!燃焼!(&アンチエイジング)」と速登りを心がけています。

<人生は食べることも大切>
 さて最後に、私も過剰なダイエットには大反対の立場です。ガリ細ダンサーなんてちっとも美しくない!バレエを長年継続させていると、どうしても食事前にカロリーを気にしてしまう習慣が付きます(でも食べてしまいますが(^^;))。特に私達の世代は「食べるな!痩せろ!」を強制されましたから、少なからず軽い摂食障害の気を患っています。でも人生は一度しかなく、残りの人生の「美味しい食事」の回数も少しづつ減っているのです。「美味しい食事」は"美味しく"食べましょう!罪悪感を持ちながら食事をしたら、まったく食べた意味がありません。それより、食べてしまったら動いて血液を廻して消費しましょう!レッスンでなくとも、仕事帰り、買い物帰りのタイミングでも、燃焼慣れした身体は効率よく燃焼を行ってくれるようになりますよ。
素人ですもの、「食べる幸福」は味わって生きなくちゃ!

「食べない」よりも「上手に食べる」「上手に動く」を探求して行きましょうね。


<入浴やサウナでは痩せない> (2015.04.24 追記)
 身体を動かす人間にとって入浴やサウナはとてもありがたい疲労回復方法です。私もコアなスパ&サウナ愛好家で、毎週のスパや銭湯通いは欠かせません。しかし「入浴やサウナで効果的に痩せられるか?」と言われれば、それは「NO!」です。よくサウナに凄まじく長い時間座っているオバサマ方(私もオバさんですが…)がいらっしゃいますが、高い確率でかなり太っている方か超ガリガリの方が多いですよね?まず、ガリガリの方はサウナへ入らなくてもガリガリですし、サウナで痩せられるなら常連客なのに太っているはずはないのです。
サウナで身体が排出するのはあくまでも「水分」で「脂肪」ではありません。水分を取れば元の体重に戻ります。また、その水分を出す為に脂肪を燃焼させることもほぼありません。心拍数が上がりますので脂肪燃焼しているように思われますが、身体を動かしていないので脂肪は燃えてくれません。脂肪を燃やすには「酸素」と「運動」が不可欠なのです。
よく「入浴によるダイエット効果〜!」などと唄われますが、これは入浴やサウナの効果で代謝し易い身体に変わるだけ。ですので入浴後にウォーキングなどの有酸素運動をすれば効果テキメンですが、ただ入浴しただけではほぼ痩せませんので誤解しないようにして下さいね。
入浴やサウナは心身ともに疲労回復に素晴らしく効果が大きいですので、怪我防止のためにも、自宅入浴でも施設入浴でも構いませんので習慣にされることを強くお勧めします。但し、入浴もサウナもただ長く入れば良い訳ではありません。続けていて辛くなったら出て、休息をしてまた入る(水風呂やぬるま湯を浴びて休むと効果的)、その繰り返しの方がリラックス出来て効果があります。入浴はトレーニングや苦行ではありませんので、リラックスを第一にして下さい。お風呂で癒されましょ〜(^O^)b。

(おまけ)
 既にご存知の方も多いと思いますが、最近気に入っているお菓子にタニタ食品監修の栗山米菓「間食健美」シリーズのお煎餅があります。カロリーが高めのお煎餅でありながら一袋なんと65kcal程度。そして結構満足の量が入っています(^O^)v。お米に加え大豆や雑穀など女性に嬉しい成分が含まれており、さすがタニタ監修! スーパー等で売っています。よろしかったらお試しあれ!