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掲載日:2017/02/17
■ ポアントの進化 (ロシア・バレエ)

 自称「バレエにおける足裏フェチ」の私でございますが、実はあまり恵まれた足の持ち主ではありません。先日も長く休んでいたレッスンに復帰した途端、以前患った足底腱膜炎の痛みの兆候が出て、ひたすらマッサージに励んでいます。バレエに向かない平たく横に広がった足をしているのですよね。

そんな私はポアント選びには常に苦労をして参りました(T_T)。外国製品では甲が高過ぎ、ロシア製では幅が細すぎ、踵が浅いと脱げ易く、足の力が殆どなくなって来てしまったのでヴァンプの浅い靴では立つことができません。大体「バレエを踊る人間や日本人は甲が高い」なんて言っている嘘つきは誰だ?!確かにバレエを踊っているとハイアーチ(爪先立ちすると土踏まずのアーチが高くなる)というのは本当らしいのですが、それと甲の高さは別もの!どこかに私のような草履足に合うポアントはないでしょうかね。

 ポアントといえば、以前も書いた通り、最近の靴は本当に進化しています!ロシア製のポアントなんて「釘が打てる」とまで言われていたのに、最近の新製品はなんて柔らかい感覚なのでしょう。靴の中もしかり!優しい布地で天国のよう。

ソール(靴底)もとてもしなるようになりました!これでドゥミが更にし易くなる
v(T▽T)v。私ももうポアント引退のお年頃ですが、これからチャレンジする方々にはとても良い傾向です。皆さん、上達への道は「ドゥミからポアント!ポアントからドゥミ!」ですよ。
(ところでポアント初級者さんには柔らかめのソールが良いというのは定評だそうですが、柔らか過ぎるポアントは返ってまだ立つ力が不充分な足には危険です。ソールの硬さはまずは自分の立ち易さで選ぶと良いです。よくソールの硬いポアントは上級者向きといいますが、確かに硬いソールを履きこなすには足裏の強い筋肉が必要なのですが、例えば甲が出過ぎるとか、足指を折るクセがあるとか、そんな時は硬いソールのポアントの一部を柔らかくして履かせることがあります。逆に足の技術と力がしっかり付いて来ると、とても柔らかいポアントシューズを履きこなせるようになり、とても踊り易くなります。(カナダのイヴリン・ハートさんのポアントがグニャグニャでスゴかった!)どのようなポアントが合うかはケース・バイ・ケースですので、最初からあまり決めつけない方が良いですよ。私は初級者さんには3/4ソールもあまり勧めません。)

 そんなことを思いながらYouTubeを覗いていたら、すばらしいワガノワの生徒さんのポアント・レッスン映像を見つけました!なんだかスゴイ量のアクセス数なのでバレエ仲間の間では流行っている映像なのかも知れませんね。
映像はロシアのワガノワ・バレエ・アカデミーの2015年の5年生(大体15〜16歳)のポアント・レッスンの映像です。

何に注目して頂きたいかというと、その足裏の柔らかい使い方!!思わずパリ・オペラ座バレエ学校かと思ってしまいました。
昔はね、「上半身はロシア、下半身はフランス」なんて言われたくらい、ロシア・バレエの足の使い方って直線的だったんです。でも今ではとても柔らかく丁寧で基本に忠実な使い方をしています。これは技術が上がっただけではなくて、ポアントの進化が多分に影響しているせいだと思います。ソールが柔らかくなってドゥミ・ポアントがとてもやり易くなったんです。以前のロシア・バレリーナはそんな硬いポアント・シューズをとても工夫して上手に使ってあれだけの踊りを見せてくれていました。驚愕な努力ですよね。

良かったらぜひ!皆さん試聴してみて下さい。下記にURLを記載してあります。

但し!私はバレエ学校の生徒の映像はまだ技術的に未熟なので基本的には「お手本」にはならないと思っています。ですのでビデオ紹介のページにもあまり紹介していません。あくまでもどのように足裏の使い方が進化しているのかをご覧下さいね。それ以外の身体の使い方などは、やはりプロ・レベル、あるいはワガノワでしたらせいぜい7、8年生(17〜18歳)くらいの映像を参考にして下さい。しかし大人素人にはあの通りの身体の使い方は絶対にできませんから、あくまでも目の保養にね。

ワガノワ・バレエ・アカデミーの2015年の5年生のポアント・レッスンの映像
映像が削除されてしまいましたので、2017年の6年生の映像をどうぞ。
YouTube のURL:https://www.youtube.com/watch?v=N2bHNVMaxc4


 比較対象として1990年代のワガノワの生徒の映像をいくつかご紹介しておきます。映像の後半にポアント・レッスンの様子が収録されています。残念ながら非常に映像の質が悪いです。私の持っているビデオではもっときれいなのですが、それはサイトに記載すると著作権違反になってしまうので、やはりYou Tube の映像をご紹介しておきますね。

靴が硬くてカタ、コト、ととてもポアントの音がしています。ドゥミが使えないのでとても踊り難そうな中を努力している姿に魅了されます。失敗も多いですが、それよりもどう努力して硬いポアントで踊りこなそうとしているかに注目してみて下さい。(←答え:軸をしっかりと立てて、脚の付け根を強く引いて立っています。)

ワガノワ・バレエ・アカデミーの1995年の6年生のレッスンの映像
YouTube のURL:
https://www.youtube.com/watch?v=wpnL6MC8fJQ&list=PL0E37654D7F199599

ワガノワ・バレエ・アカデミーの1994年の7年生エリートクラスのレッスンの映像
YouTube のURL:https://www.youtube.com/watch?v=igr3vCsVqJU

ワガノワ・バレエ・アカデミーの1995年の8年生のレッスンの映像
YouTube のURL:https://www.youtube.com/watch?v=5FHRMH-gS08

 ・・・どれもつい見惚れてしまって・・・(^m^)