<レッスン再開♪>
先月より各地でレッスンが再開され、ようやく少しづつ調子が戻ってきた方も多いのではないでしょうか?しかし人気のあるクラス等では定員数が設けられ予約獲得が大変だったりして、まだまだストレスなくレッスンという訳には行かないようです。
皆さんも自宅でバーやエクササイズを行なってはいたと思うのですが、どうしても広いスペースでのレッスンでないと鍛えられない筋肉や感覚があります。レッスンを再開しても無理はせず、
当分は自分の身体を守るようにレッスンをして下さいね。
先生方も最初の内はスローペースで始めて下さるとは思いますが、先生方の多くはご自宅のスタジオでレッスンが出来ていたり、個人的にスタジオを借りてレッスンをされていたりなど、私達より身体は鈍っていなかったりするものです。ですので再開2週間後からは通常のレベルに戻してしまったりしますが、大人の中年以上の私達はそんなにすぐに身体は元には戻りません。レッスンの予約が取れなかったり、生活環境が変わったりして以前よりレッスン数が減ってしまった方々もいらっしゃると思います。
身体は感覚を覚えていても筋肉の状態は戻っていない今の状態が一番怪我をしやすい状況でもあります。くれぐれも無理に元に戻そうとはせず安全に
しっかり基礎からやり直す気持ちで練習をして下さい。
<骨盤の位置の違い>
先日とても上手な若い生徒さんが私達大人素人に混じってレッスンを受けに来ました。遠目からバーにつく姿をみて、
「どうしてこんなに他の人と印象が違うのだろう?」と思ったのです。彼女が付いたバーの前後はまだ基礎・初級レベルの生徒さんだったこともあり、技術レベルを比較しては気の毒なのですが、立ち姿が全く違うのでなんとなく気になったのです。以前も何度もそのような光景は見たことがあります。
「スタイルやレベルが違うのだから当たり前」と大して不自然に思わなかったのですが、細い身体のベテランの生徒さんと比較しても脚の強さが全く違う。
そこで観察して気が付いたのは、芯の強さもさることながら、
「骨盤の位置が違う」ことに気が付いたんです!
「脚の長さや細さが違うから仕方ないわよ」とは思わないで下さい。だってハッキリ言って、彼女と他の人とは脚の強さ、形が全然違うんです。つまり
“鍛えられている脚なのか、そうでない脚なのか”の違い!
もちろん練習時間の違い等はあるでしょう、しかし(失礼ながら)比較したベテランの生徒さんだって毎日レッスンをしている生徒さんなんですよ。年齢が上がれば脂肪も付き易くなりますが、原則的には鍛えている部位って脂肪が付き難くなる性質があります。(お相撲さんのように過剰に栄養をとってわざと筋肉の上に脂肪を蓄えることもありますが)普通の食生活をして、普通の体型で、毎日レッスンして、あのたるみはちょっと違うと思う。(私も人の事は言えないけど (^^;) )
<脚の上に座らない>
「脚の上に座らないで!」「骨盤から脚を出して!」「座骨を引き上げて!」「足で床を押して骨盤を上げて!」 先生方からはこれらの注意が山のように浴びせられます。だからしなくてはいけないという事は解っています、知っています。でも・・・実践していますか?
少し見づらいですが、これらはワガノワの生徒さん達の姿。脚をとってもよく伸ばして立っている事が解りますか?
(反張膝ではありますが) きれいな脚ですね。
この伸ばした長さは片足軸となっても全く変わりません。常に脚を最大限に伸ばす努力を続けているんです。
骨盤の引き上げを怠り、脚を短く使うようになると下記の左ような感じになります。右のワガノワの生徒さんの姿と軸脚の印象を比較してみて下さい。
<ホントはとっても難しい第1ポジション>
基本の基本
“第1ポジション”。この第1ポジションを作ることがどれほど難しいかは、バレエを学べば学ぶほど感じることです。
水平垂直の姿勢を作れて初めてターンアウトが正確に作れる、軸(芯)の引き上げが充分に出来てバランスが“安定して美しく”取れるようになる、第1ポジションは色々なことを教えてくれるポジションでもあります。
脚は足裏の3点と足指できちんと床を押して、ハムストリングの付いている脚の裏側で座骨を引き上げ(押し上げ)、膝の左右を引き上げるように膝のお皿を引き上げます。重心は土踏まずか、土踏まずと踵の間。これだけでも本当に大変な技術と力が要ります。他にもターンアウトも必要ですし、動き出せば脚につられないように体幹を強く保たなくてはなりません。しかし力技で無理に行っても前腿やお尻の違う筋肉を肥大させてしまうだけです。
<バレエの技術は大切に少しづつ育てるもの>
バレエの技術はある時突然習得するものではなくて、大切に大切に育てて行くものなの。だから自分の実力より遥かに難易度の高いレッスンに出てもあまりバレエの身体は育たないんです。自分の筋肉を充分に使えずに動きが「上っすべり」になってしまうから。
バレエを長く続けて行くと、つい陥り易いのが
「出来てるつもり」「やってるつもり」という現象。時々は自分のレッスンする姿を動画で撮って確認してみて下さい。油断して立っている時と意識してきちんと立っている時の違いなど、顕著に見えたりすることも多いですよ。
これだけしっかり力を使って立ち続けていれば、当然脚の力は強くなります。その脚力が強い軸を作るんです。回転してもブレない軸、首や腕を動かしても保ち続けられるバランス。腰が浮いているので速い動きも可能になるし、ルルベにも上がり易くなる。そして!
細く“見える”ようになる!!良いことずくめなんですよ。
ちなみに、ふくらはぎが立派で足首がしまって見えていても、膝から上が緩んでいるような人がいます。このような人も骨盤の引き上げが足りないの。膝から下に頼って動いているのでふくらはぎばかりが発達してしまうんです。
脚は出来るだけ全体を使う事が一番効率がいいのです。膝から上もしっかり意識して使って下さい。(座骨を上げて!)
また、膝が裏側へ反り易い“反張膝”の人は、実はとても意識して脚の訓練をしないと強い筋肉が育ちません。膝を押し込んで立ってばかりいるとどんどん脚が反り返ってしまって、見た目は美しくても軸脚としては使いづらくなって来ますし、高齢になってから膝に障害が出易くなります。
“反張膝”の人は膝の裏を直線の様に真っ直ぐにして膝の両側を意識して立つ訓練をして下さい。
最後に、「座骨ってどこ?」というお話。座骨は引き上げる訓練をして行くとその存在を感じることが出来るようになるのですが、まだ感じられない場合は、お尻の下の方にあり外から手で触れられる部分ですので触ってみて下さい。体育座りをした時に一番床に接する、出っ張った骨。左図のピンクの丸の部分の骨のことです。ハムストリングが結合している場所なので「脚の付け根」とか呼ばれます。(このサイトでは「付け根ポイント」と呼んで、脚を引き上げるポイントとなる部分としています。)
こちらはプロのダンサー。しっかりした脚でしょ?
2人の姿勢の違いは、個性というかスタイルの違いというか・・・皆さんは右側の人を参考にして下さい。
骨盤を引き上げて脚を使うと脚の力も強くなる!
さあ!
今日も座骨を引き上げ(押し上げ)続けてレッスンをしましょう!今まで引き上げずにレッスンをしていた人は、バーの途中でもうヘトヘトになったりしますよ。でも引き上げるだけで、ものすごくお得な効果をもたらしてくれます。頑張りましょうね。o(^^)o