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掲載日:2020/05/03
■ 「とりとめのない話」 〜コロナ禍〜

 季節は暖かくなりましたが、周りは凍りつくようなシビアな環境に溢れていますね。
皆様、如何お過ごしですか?

レッスンも自習も満足に出来ない現在、バレエの技術などについて書いてもシラケるばかりと思いますので、今回は私の勝手なおしゃべりである“とりとめのない話”とさせて頂きました。単なる世間話ですので、ご興味のある方?(…いらっしゃるのか判りませんが)だけお読み下さい。お時間、無駄にしないで下さいね。

 先月や先々月の段階では、私は拳を振って「今こそエクササイズを!自宅で自習を!」と叫んで記事に書いておりました。しかしこう長く自粛状態が続くと、正直に言って、そのエネルギーも尽きて来ます。自宅で頑張る努力もレッスンで自分が踊れるようになる達成感があってこそのパワーだったのだと、つくづく勉強になっています。

はい!正直に言って、私も最近は本当にダレて来てしまっています。
ゴメンナサイ m(T_T)m


このような環境の中でも先生方は元気にプラス思考を保ち続けオンライン・レッスンなどを開催して下さっていますので、自分の情けない現状が本当にお恥ずかしい限りなのですが、あまり自分を追いつめても上手く行かないという事も実感していますので、コロナ鬱(うつ)にならない程度に自分を甘やかしています。

 私のような“おばさん素人”は一番気楽な部類に入るはずで、巷ではプロの方、プロ志望や留学希望のジュニアなど、どれほどの苦戦をしているのだろうと思うと思わず涙が出て来そうです。私の通うスクールでもクラスは閉鎖していますが、プロの方には極小人数でのレッスンの為にスタジオを提供しているらしいです。身体を休ませられないバレエという芸術は本当に過酷なスポーツだと思います。

 バレエ仲間での今の話題のひとつはオンライン・レッスンについての話題です。先生方がZOOMなどのソフトを使ってレッスンを開催して下さっていますが、有用かどうかは人それぞれのようです。

私自身は、自宅にレッスン可能な環境がない、小さい画面で先生を見る事がストレス、自分の姿をビデオで晒すことに抵抗がある、(1番の原因は)片づけやら化粧やらが面倒!、という理由からオンライン・レッスンは受けていません。アンシェヌマンは自分でなんとか組み立てられますし、狭い環境で気をつけながら自分のペースで動いた方が確実に動くことが出来るからです。

しかし、私の友人には「やはり先生の掛け声や、見られている緊張感がないとダメなので、オンライン・レッスンは助かる!」という人もいます。逆に、やってみたけど全然集中できない内にレッスンが進んでしまってダメだった、楽しめなかった、という人も居ました。

オンラインでのレッスンなんて難しいに決まっています。それでも、果敢に挑戦して下さる先生方には本当に感謝だと思います。何事も挑戦してみて初めて長所短所、解決法が見えてくるものですから。

 先生方の事情もとても厳しいご様子で、スタジオを構えている先生方の多くは家賃や改装費のローンを抱えています。レッスンを開講できなければ収入が入らず、余裕のある方ばかりではないので、「いつまでスタジオを続けられるか判らない」とおっしゃる先生も多いです。バレエのスタジオは床も鏡も改装が必要ですから、抱えるローンはとても大きい金額となってしまうのですよね。貸しスタジオで開講されている先生も収入が入って来ないので楽ではないと思います。

 もうひとつ話題となっているのは、発表会を控えている方たちの苦悩です。中止・延長が決定したスタジオ、まだ未定なスタジオがあり、参加する方も、延期でモチベーションを保つ事が難しいとか、充分に練習していないのに本番を迎えたくないとか、もう辞めてしまいたいとか色々と耳にします。

元バレリーナやバレエダンサーであった先生方の価値観ではバレエが最優先ですが、一般の大人にとってはバレエよりも家族や生活が優先となります。先生は頑張ってレッスンやリハを強行して「参加できる方だけいいですから」と言われても、参加できない生徒にとってはとても迷惑なことになるのも現実ですし、結果的に無理を強いてしまうことにもなってしまいます。

発表会の参加キャンセルは先生や一緒に踊る方に迷惑が掛かるので、出来るだけしない方が良いとは思います。若い頃は昔のプロの感覚を先生から教え込まれていて、「リハと本番の欠席は絶対に許されない!」と骨の髄まで信じていました。しかし現在では欧米のスター等は身体的な無理はダンサー寿命を縮める事になるので早々に代役を立てますし、素人でも無理に舞台に立つ事が良い事ではないと感じています。

そして現在、この状況下では発表会の申込みをした時とは事情、環境が変わり過ぎていますので、人それぞれの判断で良いと私は思っています。あくまで早い時期でのキャンセルについてですが。 現実に私もどれほどレッスンに行きたくても、生活では高齢者に囲まれ、自分があくまで趣味でのバレエで感染し、老齢の両親に感染させて万が一のことにでもなれば、もうバレエを継続して行くことは出来ませんし自分を許す事も出来ません。自分がその環境にさらされて、本当に色々と学んでいる次第です。

そして、残念ながら練習不充分で舞台に立つことになってしまった方も、上手に踊る事だけが「趣味のバレエ」ではありません。衣装を身に付け音楽に身をゆだねて踊る快感は充分に味わって楽しんで下さいね。例え練習が不充分であっても無駄な練習や経験はありませんから。

人によって事情は本当に違います。無事にバレエを継続出来た方は超ラッキー! 今はお休みとなっても、この災いから解放されもう一度バレエに戻れた方はまた基礎から始めれば良いのです。身体は使い方を覚えていますので、そう時間は掛からず元に戻れるでしょう。焦る必要は素人にはないのです! 実は私のように年齢が高くなると、元の状態に戻れるかどうか、とても不安であることも確かです。どれほどケアをしても若い頃の様には動けない事を身をもって知っておりますので。

自分の人生で、生活で、何が一番大切なのか?という事を見失うと、バレエすら手放す事になりかねません。今は我慢の時!正しい判断をして下さいね。

それと、そのような方は居ないとは思いますが、発表会のリハに来れない人、参加をキャンセルした人を中傷したり、再開したレッスンでの技術の衰えを笑い者にしたりする行為は、絶対にしないこと!そんな行為は自分の心を汚して行くだけです。

 明けない夜はありません。またこの感染騒ぎについてはおそらく何年もに渡ることはないと思います。爆弾が降って来る戦争よりはずっとマシ!! みんなで我慢して今を乗り越えましょう!