掲載日:2017/08/03
■ 佐藤 愛さんの著書発売のご紹介

 とても素晴らしい本が発売されました!ダンス解剖学のスペシャリスト「佐藤 愛」さんの『バレエの立ち方できてますか?』という著書です。

おそらく私のサイトへご訪問下さった多くの方は、この佐藤愛さんのサイト
“Dancers Life Suppoer.com”(http://www.dancerslifesupport.com/)
をよくご存じだと思いますが、佐藤愛さんはオーストラリアのバレエ学校を卒業後、Victoria大学で解剖学について学び、バレエ教師の資格も持つ、ダンスにおける運動生理学のスペシャリストです。現在は母校のバレエ学校でセラピストや講師として活躍される傍ら、日本でもセミナーを開催され、多くのダンス関係者や生徒のサポートをしていらっしゃいます。 “Dancers Life Suppoer.com(DLS)”はダンスを学ぶ人、ダンスを教える人、更にはダンサーを治療する人にまで、正しい身体の使い方や精神論について貴重なアドバイスが掲載されているWebサイトです。

私も彼女のサイトはよく参考にさせて頂き学ばせて頂いているのですが、正直Webサイトでは私には少々読み難い部分もあったりして、著書として出版されないかな〜と切望しておりました。そしてこのたび待望のバレエ本として出版されたのです。この本は大変解りやすくWebサイトの記事より読み易く書かれています。

 厳密に言うと“大人からバレエを学ぶ人”よりも、“プロを目指すジュニア”に向けて書かれている内容ではあるのですが、“大人バレエ”の人々にもとっても貴重な、
「バレエについて一番大切な、バレエの土台について書かれた本」
であると思います。
内容はバレエのスタンス(立ち方)についての解説と、それを実現する為のストレッチやエクササイズが紹介されています。

私としては、解剖学に興味のある方ばなりでなく、バレエ・レッスンを楽しむ方全てに読んでみて頂きたい本です。

但し少しご注意頂きたいのは、「内容はあくまでも“理想”であり“目標”である」ということ。私が思うには、身体や環境・状況には個人差があり、無理をして本の内容を実現させようとやり過ぎてはいけないということです。大人の無理はすぐに故障につながりますので。また、自分を教えて下さっている先生の立ち方とは少し異なる場合もあるということです。

例えば、愛さんの本でも私のサイトでも“床から真っ直ぐ垂直に立つ事”を奨励していますが、実際のプロとなると、少しだけ胸部を前寄りにして立つ立ち方をする方も多いです。ロシア系メソッドでは特に顕著ですね。これは、科学的には垂直線が理想でも、様式美としては少し胸部を前にした方が美しいとされていることにも起因しています(更に舞台傾斜への対策としても)。しかし私は素人の大人バレリーナの方には安全で安定する垂直線立ちをする事をお勧めしたいですし、まずはジュニアの方々にも垂直に立つ感覚を身に付けてから発展させて欲しいと思っています。プロにはプロへの要求がありますが、素人には故障をせずに末長くバレエを続ける事の方が優先されるべきだと思っているからです。身体を垂直に保つ方が身体のコントロールが容易で、速く上達するはずです。まずは基本を身に付けましょう!

ですので、本とご自分の先生が異なっていても必ずしも先生の方が間違っている訳ではありませんので、その点はご留意下さい。

本はAmazonで取り扱っています。ご興味のある方はぜひ読んでみて下さい。(私としてはめずらしく)強くお奨めします!!



『バレエの立ち方できてますか?』

(※ 私のサイトの記事の中には佐藤愛さんの理論とは少々異なる考え方もあります。私は私の経験と多くの師匠方から得た知識や知恵をもとに記事を書いています。上手にご参考にして頂けたら幸いです(^^)b 。)