『白鳥の湖』

おすすめ順にDVDのご紹介をしています。商品購入へのリンクもご用意しましたので、 ご希望がありましたらご利用になりやすいショップにてお求め下さい。このページでご紹介している直輸入版は 国産のデッキで再生可能な物をご紹介していますが、直輸入版はリージョン・フリーやNTSCの表示など、 国内で再生可能かどうかを再度確認してご購入下さい。
下記以外にも欲しい品がありましたら左側のショップ用検索で“DVD SWAN LAKE”や “blu ray 白鳥の湖”などと入力して検索をご利用下さい。
また、間違って他の商品やCD等をご購入されないよう気を付けて下さいね。

 『白鳥の湖』はクラシック・バレエの代名詞のように言われている最高峰の名作ですが、1877年ヴェンツェル・ライジンガー振付でロシアで初演された際はとても評判が悪く、すぐに再演されなくなってしまったようなバレエでした。チャイコフスキーの没後の1895年にプティパと弟子のイワノフが再構築して現在の『白鳥の湖』となります。台本での舞台はロシアではなくドイツです。
『白鳥の湖』についてはそれこそ語り尽くせないほどに様々な解釈や振付が存在し沢山の作品を楽しめるようになっていますが、レフ・イワノフが振付けた第2幕:白鳥の情景のシーンは余程の自信がなければ大きな振付け改訂を行えない程に「完璧な名シーン」と言われています。現在でも現代作品でない限りはどの改訂版でも第2幕を大きく変更しているバレエ団は無いほどです。その中でもオデットと王子のグラン・アダージォは「神域」とまで言われる程の踊りで、高い評価を得られるのはベテランのバレリーナばかりです。(とはいえ歳を取ると踊れない役ではあるのですが)
主役はオデットとオディールの一人二役を踊る事で有名ですが、最初は別のバレリーナが踊っていました。プティパ版の初演時に32回転を廻れるバレリーナが主役のピエリーナ・レニャーニ以外にいなかった為、彼女が2役を踊ることになり、その形が面白いと定着するようになりました。今でも2役を別々のバレリーナが踊ることもあります。
この作品ほど主役の違いを楽しめる作品もないと思います。様々なオデットやオディールを見比べてみるのも『白鳥の湖』の醍醐味です。


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マリインスキー劇場
『白鳥の湖』



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<最高のオデット&総合点ではこれが一番!>

上演:2006年
振付:コンスタンチン・セルゲイエフ版
主演:ウリアーナ・ロパートキナ&ダニーラ・コルスンツェフ
指揮:ワレリー・ゲルギエフ

 2012年現在、まず『白鳥の湖』を始めてご覧になるならば、この映像をお勧め致します。現役で“白鳥”を踊らせればおそらく世界1、2を争うロパートキナのオデットです。振付はロシアの伝統に沿った標準的で優美な振付セルゲイエフ版、教科書的な『白鳥の湖』と言えるでしょう。ソリスト達やコールドも満足の行くレベルだと思います。難を言えば、指揮が巨匠ゲルギエフなのでダンサーの踊るテンポに速度を合わせておらず、ダンサーの四苦八苦が少々感じられます(しかしゲルギエフの素晴らしい音楽にも酔えます!)。そしてカメラワークがバレエ的ではありません。正面で撮るべきシーンを上から撮ってしまったり、引いて見せるシーンをアップにしてしまったりという問題があります。しかし、購入して損のない素晴らしい一品と言えるでしょう。ロシア・ダンサーならではの白鳥の優美なライン、ロパートキナの完璧なフォルム、十分にご堪能下さい。

※ 現在はまだ発売されておりませんが、同じ振付・演出で主役がエカテリーナ・コンダウローワ&ティムール・アスケロフの映像がNHK-BSで放映されました。どなたか録画されていた方がいらしたら借りてご覧になるのも良いと思います。個人的にはロパートキナのオデットの方が好きですが、長身のコンダウローワも大変テクニックが安定したダンサーです。
パリ・オペラ座
『白鳥の湖』
    ブルメイステル版



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<白鳥のシンクロ美が堪能したいなら、これが最高峰!!>

上演:1992年
振付:ウラジーミル・ブルメイステル版
主演:マリ=クロード・ピエトラガラ&パトリック・デュポン
道化:エリック・キエレ
衣装:毛利臣男

 『白鳥の湖』の本来の醍醐味!第2幕のコールド・バレエが最高に美しいのはこの映像です。現在のオペラ座ではここまでの同調性は見ることは出来ません。同じバレエ学校で教育を受け、異端が振り落とされて来たからこその、同じ形の手足、角度、呼吸で白鳥の群舞を高レベルで表現しています。バレエを学ぶ方には是非!ご覧になって頂きたい映像。しかし、誠に残念なのは衣装に難があり白鳥のシーン以外の踊りはイマイチ踊っている姿がよく見えません。日本人でオペラ衣装等で定評のある毛利臣男さんがデザインしていらしゃるのですが、残念ながらバレエをお解りでないかも…?しかし主役2人は最高レベルですし、キエレの道化は出色の技!、第3幕の演出もとても楽しめます。また、ブルメイステル版は第1幕に王子のソロやパ・ド・ドゥが挿入されていたり、黒鳥の曲を原曲(現在の「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」の曲の一部)に戻していて、とても面白いです。私としてはこれを1位にしたいくらいの第2幕の映像です!
ちなみに、第1幕の王女にファニー・ガイダ、パ・ド・カトルにニコラとロモリ、4羽にミテキ・クドーとオスタ、3羽にルテステュとナタリー・リケ、花嫁候補にルテステュとムッサンとリケ、マズルカにガイダとロモリという豪華版ですぞ。
ボリショイ劇場
『白鳥の湖』



2012年現在 廃盤 
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<ボリショイ最高峰!の『白鳥の湖』>

上演:1989年
振付:ユーリー・グリゴローヴィッチ版
主演:アラ・ミハリチェンコ&ユーリー・ヴァシュチェンコ
悪魔:A・ヴェトロフ  王妃:イルゼ・リエパ 道化:M・シャルコフ

 大変古い映像ですが昔はよくテレビで放映されていました。誠に残念ながら現在は絶版となってしまっています。時々オークションなどで出品されますので、機会に恵まれましたら是非!ご覧下さい。グリゴローヴィッチがバランスよく短縮し、2幕仕立ての作品になっていますが大事なシーンはすべて入っています。
この作品の特徴は、第2幕(通常では第3幕)の花嫁候補と各国の踊りが自然にミックスされていて、各国の踊り手は花嫁候補の姫の従者となって宮廷へやってきます。各国の踊りのソリストは姫のソロ!この姫達の踊りが素晴らしいっ!!大変見応えのある踊りと振付です。そしてこの演出ではオディールも花嫁候補の一人として現れます。
また素晴らしいのは役者の充実さ!ヴェトロフの悪魔には引き込まれますし、道化シャルコフの技はこの時代では出色!、王妃リエパの威厳と気品はこれ以上の王妃を現在まで見たことがありません。もちろん!主役の2人もこの時代ならではの優美さを備えています。
ボリショイらしいダイナミックで濃い内容の素晴らしい映像!ぜひおススメしたい一品です!!!

<現代のボリショイのグリゴローヴィッチ版!> 
〜追加<2016.06.30>〜
上演:2015年
振付:ユーリー・グリゴローヴィッチ版
主役:スヴェトラーナ・ザハーロワ&デニス・ロジキン

 私の大好きなグリゴロ版『白鳥の湖』それもボリショイ版で発売されました!最新のボリショイ・バレエ団での、グリゴローヴィッチ自身の(おそらく)最終改訂版です。私個人としましては前作のミハリチェンコ版の方が好きなのですが、普通のバレエとしてのグリゴロ版『白鳥湖』をお楽しみになるのでしたら、こちらの方が技術的には飛躍的に上がっているのでお勧めです。
ザハーロワは円熟期を迎え、踊り込んで来た白鳥というところでしょうか?安心して観ていられます。但し私の評価としてはやはりマリインスキーのロパートキナの白鳥には及びませんでした。(もともと私はザハロワはあまり好みでないので) 王子のロジキンは文句なしの柔らかいノーブル、グリゴロ版は『白鳥湖』の割には王子がよく踊り目立つので存在感を出し易いと思うのですが、それでも少し弱いでしょうか…『白鳥』の王子は難しいですね。
私が何より残念なのはやはり現代のボリショイになってしまっていたこと。技術がとても上達して細かい所も丁寧なのですが、優雅になってしまいダイナミックさが失われてしまいました。ボリショイにはたとえ踊りは荒くてもあのダイナミックさ、濃いしぐさ、を失ってほしくはなかったです。大好きだったスペインの踊りも上手ですが迫力不足。 また、ラストが前作と違って暗い!。本来はこちらの結末が正しいそうですが、なにも最後だけ原典に戻さなくても良いと思う…せめて娘たちくらいは救われて欲しい。これは王子の成長の物語になっているですよね。
とはいえ、道化も悪魔も踊りまくりますし、各国姫役も層が厚い、十分グリゴロ版の良さは楽しめますよ。(素晴らしい道化(イーゴリー・ツヴィルコ)が見れます!) 乾杯の踊りもこのバージョンが好きだなぁ。
ひとつ注意が必要なのは、さすが“ボリショイ”=“巨大”だけあって画面の引きがスゴイ!これはパソコン等ではなくて大きい画面で観ることをお勧めします。
英国ロイヤル・バレエ
『白鳥の湖』



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<ドラマティックな白鳥ならこちら>

上演:2009年
振付:アシュトン&ビントレー改訂、アンソニー・ダウエル演出 版
主演:マリアネラ・ヌニェス&ティアゴ・ソアレス

 ダウエルがプティパの原典にできるだけ忠実に改訂している版になります。演劇の国イギリスのロイヤルらしい作品でマイムが多くとても演劇的です。衣装のチュチュですが、主役のオデット以外の白鳥はすべて裾の長めのロマンチック・チュチュで踊られています。
主役のヌニェスはオデットを踊るには少々体格が良すぎるのですが、彼女の素晴らしいテクニックの白鳥は一見の価値があります!特に黒鳥オディールは実にノビノビと表現していてテクニシャンのヌニェスらしい踊りです。王子のソアレスは少々気品は足りないところ愛嬌のあるリアルな青年王子を演じています。しかし原典に戻るこの版では王子の踊りはあまり多くはありません。白鳥のコールドは同調性ではオペラ座ほどでないにしろ、幻想的で美しい世界を作っています。また、第1幕のパ・ド・トロワを注目の若手!崔由姫が踊っていて可憐で軽快、とても素敵です。惜しむのはこの版には道化がいないことで、道化のテクニックを観ることは出来ません。しかし“ロイヤルのバレエ”をたっぷりお楽しみになれる作品だと思います。
〜NEW〜
ミラノ・スカラ座
『白鳥の湖』
ブルメイステル版



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<ブルメイステル版を観るならこのスカラ座『白鳥の湖』>
〜追加<2016.06.30>〜
上演:2004年
振付:ウラジーミル・ブルメイステル版
主演:スヴェトラーナ・ザハロワ&ロベルト・ボッレ

 上記のパリ・オペラ座と同じブルメイステル版ですが、純粋にブルメイステル版を楽しむならこちらをお勧めします。踊りまくりのブルメイステル版は素直に楽しめる作品です。第3幕もオディールの誘惑に説得力があり魅力的、第4幕も長い長い、とにかく踊り続け。
 ザハロワはガリ細ゆえのシャープさとロシア人的なこってり度でブルメイステル版にとても合っているように思えます。私は今のザハロワの方が好きですが、この映像はザハロワの割には表現が濃くて感情表現が豊か。ガリ細過ぎるのですが、オデットですし、完璧な技術が凌駕していてあまり気になりません。とにかく美しいですね〜。
ボッレ様はさすがのスタイル!テクニックも盤石。イケメンっぷりがさすがです。この2人で映像が作られていることに感謝したいくらい。まさにロシアの華とイタリア〜ンのイケメン王子の恋という感じ。
 この映像のコールドはとってもよく揃っていてスカラ座ではないみたい。スカラ座はシンクロよりも個性というイメージがあったので驚きでした。1人1人のスキルには少し不安があるところですが、シンクロ度でとても素敵に見える。第1幕のソリスト達もとても上手です。残念なのはイマイチ第3幕のキャラクターダンスが良くない。お気に入りのスペインの踊りもキレが足りなくて残念でした。
主役2人は必見ですし、コールドも美しく、お楽しみ頂ける映像だと思います。美術と衣装はさすがのイタリア・ミラノ!!

※現在は少し手に入り難い状況になっているようですが、過去にDVD-BOXやDVD本等も発売されましたので、中古等でお探し頂けると見つかるかも知れません。

パリ・オペラ座
『白鳥の湖』ヌレエフ版



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<ヌレエフ版 異色の『白鳥の湖』>

上演:2005年
振付:ルドルフ・ヌレエフ版
主演:アニエス・ルテステュ&ジョゼ・マルティネス
家庭教師&悪魔:カール・パケット
パ・ド・トロワ:ノルウェン・ダニエル、ドロテ・ジルベール、
        エマニュエル・ティボー

 正直に言って私にはあまり好きな映像ではありません。しかしオペラ座のダンサーの素晴らしい表現&踊りを堪能することが出来る作品であることも事実なのでご紹介します。これはマッシュ・ボーン版のような現代作品ではないのですが、通常の解釈の『白鳥の湖』ではありません。
この作品は王子(ジョゼ)と一人二役である家庭教師&悪魔(カール)との関係を表現した物語です。白鳥は夢の中に出て来るという設定ですので、オデットは美しくはありますが影が薄い。解釈は観る側に委ねられますので解釈によっては様々なシチュエーションを想像できますが、王子を悪魔が導いてゆく物語とするならば、王子のジョゼがしっかりし過ぎているので少々違和感を感じました。ヌレエフ版の常で、男性ダンサーの踊りが沢山お楽しみになれます。一方、ヌレエフの振付は「1音に1ステップ」と言われるほどのパ(動き)の詰め込みなので、コールドのダンサー達は踊るだけで大変。少々余裕の無さを感じてしまう気がします。
オペラ座の高水準の踊りを堪能しつつ、心理の想像力を掻き立てる…そんな楽しみ方もできる作品だと思います。

※現在、この作品が含まれるお得な直輸入版DVD・BOX「THE FAIRYTALE BALLETS」が発売されています!!ぜひご検討下さい。




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