『ジゼル』

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英国ロイヤル・バレエ
『ジゼル』



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<愛情にあふれたコジョカルのジゼル>

上演:2006年
追加振付:ピーター・ライト版
主演:アリーナ・コジョカル & ヨハン・コボー
   ミルタ:マリアネラ・ヌニェス ヒラリオン:マーティン・ハーヴェイ

 名作『ジゼル』には特に各人それぞれの好みがあるとは思いますが、愛情にあふれたジゼルに感動したいなら私はこのコジョカルをお薦めします。第1幕のジゼルをとても可憐に踊るダンサーは他にも沢山いますが、第2幕でウィリーになった後もこれほどまでにアルブレヒトへ愛情を示すジゼルは他に観たことがありません。それ故に亡霊というより少し人間くささが前に出てしまっておりますが、それすらも彼女のジゼルの魅力となっています。もちろん技術も素晴らしく、感動して観ることが出来ます。アルブレヒトのコボーはノーブルなお貴族感はありませんが、リアルな快活な青年というイメージを醸し出し、踊りもコジョカルとの息もぴったりで素敵です。
この作品のペザントは6人のパ・ド・シス。女性バリエーションはソロで1曲しかありませんが、この作品のオリジナルでとても良く踊られています。第2幕のウィリーはロイヤルならではの幻想的な演出。ミルタのヌニェスはとても強いリーダーを表現し、技術的にも芸術的にも大変素晴らしいミルタです。ミルタとしては私のお気に入りのお一人。ロイヤルならではのドラマティックな『ジゼル』をお楽しみ下さい。
〜追加 2014.03〜
マリインスキー劇場
『ジゼル』



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<総合では第1位のマリインスキーの『ジゼル』>

上演:2010年 マリンスキー劇場
振付:コラーリ・ペロー・プティパ版
主演:ナタリア・オシポワ & レオニード・サラファーノフ
   ミルタ:エカテリーナ・コンダウローワ ハンス:イリヤ・クズネツォフ

 私の中では近年発売の中では大ヒット!なバレエ・ビデオでした。主役2人・ミルタ・ウィリーと3要素が全て良い「ジゼル」は殆どありませんが、このビデオのダンサー達の踊りのクオリティはとても高い!「さすがのマリインスキー!」です!!
 まず主役についてですが、オシポワはボリショイからのゲスト。彼女のジゼルの印象は純情な村娘そのものでとても純粋さが良く出ています。彼女の最大の武器はその跳躍力!力まずに高く跳べるので軽々と蝶のように舞い、第2幕では高い空中に漂う彼女は精霊そのものです!コールドに比べて小柄な彼女ですが見劣りすることなく、反って娘らしい可愛らしさを醸し出していました。一方サラファーノフはノーブルですから強い印象はありせんが、とても美しいスタイルでテクニックも跳躍力も素晴らしく大満足。パートナーシップもお似合いのカップルです。2人のアントルシャはとても軽くて現代最高レベルのアントルシャ!
 ミルタのコンダウローワは長身の上に手足も長いですから、とにかく存在感が大きい!そして素晴らしいテクニックで強さ・冷たさも申し分なく表現されています。このミルタもぜひ必見!です。…コンダウローワのジゼルも(デカいけど)観てみたい。

 そして一番すごいのは高度に安定したテクニックで魅せるコールド群です。すべてのダンサーがレベルの高い技術を誇るので、小技を効かせながら、しかし煩くはなく美しい群舞を見せてくれます。ウィリーについては、同調性は最高とは言えないのですが、それぞれのダンサーがとても美しくて誰を見ても楽しめます。コールドの技術レベルはマリンスキー史上、現在が最高レベルなのではないでしょうか?(同調性を除けば) そしてドゥ・ウィリーも主役を踊れそうなほどに2人共揃って素晴らしいですよ!他の出演者の動きも優美で上手!たっぷり“中世の時代”に浸からせてくれます。
しかし誠に残念なのは、この作品なぜか第1幕のペザントがないのです!近年では若手を楽しむ貴重なシーンですのに。それにこのビデオはケースにもエンド・クレジットに配役名が主要4名の名前しかなく、ドゥ・ウィリーなど他の出演者の名前が判りません、残念。

 更に文句をいうならばカメラワークです。引き過ぎる!元が映画館での3D上映用に撮られた映像だからなのか、ウィリーの全体像がイマイチ小さいのです。そして列が交差する通称“象の行進”(と呼ぶのは私の巷だけかも?)のシーンも最初と最後は全体を見せてくれますが、あとは寄ってしまうんです。これはぜひ全体で見せて欲しい!ウィリーも私的な我がままを言うならば、もう1列増やして欲しい。出来れば最低4列の交差で見たいのです。これは群舞3列、ドゥ・ウィリーを入れて4列です。
画質も綺麗ではありますが、現在では最高とはちょっと言い難いかも。

 発売元は新書館ですのでお安くないかも知れませんが、とにかく買って損はないビデオだと私は思います。
総合力では第1位なのですが、第1位の主役のコジョカル・パワーが私的に勝ちでしたので2位になりました。

東京バレエ団
『ジゼル』



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<可憐で華奢なヴィシニョーワのジゼル>

上演:2004年
振付:レオニード・ラブロフスキー&ウラジミール・ワシーリエフ改訂版
主演:ディアナ・ヴィシニョーワ&ウラジミール・マラーホフ
   ミルタ:井脇幸江 ヒラリオン:木村和夫

 時としてクールな表現になりがちのヴィシニョーワですが、このジゼルでは大変可愛らしく、本当に細くて触れば壊れてしまいそうな娘を演じています。ヴィシニョーワのさすが!の技術は細部まで感嘆させられる踊りです。第2幕では第1幕とはうって変わってとても静かな霊人感を出し、この世のものではなくなった空気感・絶望から来る哀しみ・アルブレヒトへ残る愛情と、見事に表現しています。感情表現に溢れたマラーホフとの相性もとてもよく、2人で一体となった呼吸感が素晴らしいです。
主役2人を支えるのは、『ジゼル』のキャストではベテランの井脇さんと木村さん。私は井脇さんの氷のようなミルタと木村さんの純粋なヒラリオンが大好きなのですが、正直に言って過去にフェリとルグリをゲストに迎えた『ジゼル』の時の映像の方が良い気がします。とは言え、やはりミルタが十八番の井脇さんとキャラクテールとしては日本人では評価の高い木村さんのヒラリオン、とても『ジゼル』の世界に入り込ませてくれます。そしてなんと言っても東京バレエ団コールドのシンクロの素晴らしさ!欧米人のような派手さはありませんが、技術も丁寧さも群舞では世界トップクラスにひけを取らないと思います。ただ…少々残念なのはやはり日本人のボディって平面的であるのと、表現のアピール性がおとなしいという日本人的な点…好み次第ではありますが。この舞台のペザントは8人で踊られるパ・ド・ユイットです。天才と言われるヴィシニョーワのジゼルをぜひご堪能下さい。
オランダ国立バレエ
『ジゼル』



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<ウィリーの映像ならこれが一番!>

上演:2009年
追加振付:リカルド・ブスタマンテ版
主演:アンナ・ツィガンコーワ&ジョセフ・ヴァルガ

 オランダ国立バレエは最近になってビデオ等が日本で発売され多くの人に知られるようになったバレエ団ですが、技術も芸術性もとてもレベルの高いバレエ団です。この映像の一番は何と言ってもウィリー達の素晴らしさでしょう!!最初の登場の幻想的な演出、ため息の出るような同調性、そしてその同調性から来る息の止まるような恐ろしさ!ヒラリオンを追い詰める時の怖さは出色です、ホントに怖い。ウィリーの映像を一番に楽しむならこの映像でしょう。舞台美術も素晴らしいです。主役がもう少し私好みなら『ジゼル』の1番はこれをおススメするかも知れません。
 ボリショイ出身のツィガンコーワはヴィシニョーワやコジョカル、フェリ達のような強烈な個性はないものの、とても安定したテクニック。アルブレヒトのヴァルガとも呼吸の合った良いカップルです。ミルタはインパクトには欠けますが、こちらも安定したテクニックで静かな冷たさを感じます。そしてペザント!このペザントはとてもレベルが高い!4人で踊られるパ・ド・カトルですが、4人ともとても上手なダンサーです。贅沢に女性のヴァリエーションがちゃんと2曲あり、通常のヴァリエーションではなく同じアダンの曲でオリジナルですが、振付もとても村娘にあった良い振付です。それを余裕で踊りこなしています。『ジゼル』がお好きな方にはぜひ!!ご覧頂きたい一品の映像です。
 
パリ・オペラ座
『ジゼル』



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<オペラ座『ジゼル』はクール系?>

上演:2006年
振付改訂:パトリス・バール版
主演:レティシア・プジョル&ニコラ・ル・リッシュ
   ミルタ:アニエス・ジロー ヒラリオン:ウィルフリード・ロモリ

 オペラ座の潤沢な人材で主役の2人以外にもエトワールのジロー&ロモリが脇を務めるという贅沢な映像です。ソリストもコールドも高いレベルのテクニックで申し分ナシ!軽快なプジョルのジゼル、少しプレイボーイ系のニコラで、すぐに物語の中に引き込まれて行きます。ジローのミルタは恐ろしい、冷たい、というよりは飄々とした人ならぬ存在を表しているかのよう。ロモリのヒラリオンもベテランの演技に思わず同情してしまいそうなほど。

 これは完全に好みの問題ではありますが、全体的な雰囲気が少し上品過ぎていて、舞台が農村のわりには少しクールな感じを受けました。オペラ座の傾向と言えるのかも知れません。第2幕のウィリー達も淡々としていてあまり怖くはない、心を揺さぶられません。カメラワークがウィリー達を上からばかり撮り過ぎるので群舞がイマイチ揃って見えません。正面から見れば揃って見える所や、(通称“象の行進”などの)正面から見たいシーンも上から撮られてしまうのでとても残念。シーンによって、あるいは白鳥やバヤデール等は上から撮っても綺麗なんですけれどもね。
それとペザントは若手のミリアム・ウルド=ブラームちゃんとエマニュエル・ティボー君がとても素敵に踊っています。 ジローのミルタ、ニコラのアルブレヒトと観たかったパフォーマンスを目にする事が出来て私めは幸せです〜。
〜追加 2014.03〜
ボリショイ劇場
『ジゼル』



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<ルンキナの空気の精ような『ジゼル』>

上演:2011年 ボリショイ劇場
振付改訂:ユーリー・グリゴローヴィッチ版
主演:スヴェトラーナ・ルンキナ & ドミトリー・グダーノフ
   ミルタ:マリヤ・アラシュ ハンス:ヴィタリー・ヴィクティミノフ

 待望の近年のボリショイ『ジゼル』。主役はジゼルが十八番のルンキナです。
この映像は第1幕が注目です!ボリショイの広い舞台で多くのダンサーが余裕の広さで踊り、衣装と舞台が大変美しい!必見の芸術だと思います。
 ルンキナのジゼルはとても丁寧で愛にあふれた娘、ちょっとした仕草や視線にジゼルの人柄がよく現れています。こんなに印象的な第1幕のジゼルもめずらしい!ジゼルが十八番だということがよく伺えます。しかし第2幕になると一転!ルンキナのウィリー・ジゼルは人ならぬ空気の精、アルブレヒトすらも見えていないのでは?と思いたくなるほど飄々としたジゼルです。ルンキナはテクニック的に不安定さがあるので、第2幕では少しミスもあり残念。しかし彼女の精霊の化身のような空気感には魅せられます!とても素敵。
 グダーノフはベテランのノーブルですねぇ。存在感がしっかりあります。この2人、視線をあまり合わせないのです。「見る」のではなくお互いを「感じて」踊っている感じ。ルンキナの飄々としたウィリーと合わせてとても神秘的なカップルです。

 昔からボリショイのコールドは同調性がみごとですから、ウィリー達もとてもよく揃っていて気持ちが良いです。但し、ミルタのアラシュは私には平凡に見え強さも感じられず、ウィリー達も淡々とした感じでした。しかしこの余裕の広さで踊る大人数のウィリーは圧巻です!ただ、ボリショイの特徴?演出?かもしれませんが、少し流し気味に踊るのですよね、それが私の好みにはイマイチ合わない感じ。
 ペザントは若手2人のチャキチャキ!なのですが、テクニックは申し分なくとてもダイナミックで「ボリショイ的」。女の子の方はもう少し深みのある踊りになった頃に観たい感じですね。

ミラノ・スカラ座
『ジゼル』


異なる表紙でも販売されています

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<“踊る女優”アレッサンドラ・フェリのジゼル>

上演:1996年
振付改訂:パトリス・バール版
主演:アレッサンドラ・フェリ&マッシモ・ムッル
   ミルタ:イザベラ・セアーブラ ヒラリオン:マウリッツィオ・ヴァナディア

 それほど古い映像ではないのですが、残念ながら画質があまり良くありません。ジゼルが十八番であったフェリの、ホームでの『ジゼル』全幕の映像です。フェリのパフォーマンスとしては最高とは言い難いのですが、それでも引退してしまった今でも全幕で彼女のジゼルが観れるのは嬉しいこと!彼女が相手だとムッルも少々影が薄くなる感じです。やはりフェリのジゼルはいい!アレッサンドラ・フェリを愛する者には貴重な映像です。それとペザントはロベルト・ボッレ君が踊っています。
 コールドについては特に問題もなく良いレベルなのですが、残念ながら好みの問題で私はこのミルタのダンサーの踊り方が好きになれないので、ウィリーの世界にのめり込む事が出来ませんでした。
以前は手に入り難くなり、再販されましたがまた品薄になっているようです。

 フェリにこだわらずに、ただスカラ座の『ジゼル』がご覧になりたいだけの方は、ザハロワとボッレが主役で2005年版がTDKコアから発売されています。振付は少々異なりますがストレスなくご覧になるにはそちらの方が良いかも知れません。

【ザハロワ版の「ジゼル」】  
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番外 〜追加〜
ローマ歌劇場
フラッチとヌレエフの
  『ジゼル』



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<貫録のフラッチとヌレエフの『ジゼル』>

上演:1980年
振付改訂:レオニード・ラブロフスキー版
主演:カルラ・フラッチ & ルドルフ・ヌレエフ

 古い映像の割にはクリアな画質です。時代が時代ですので技術の点で現代の舞台と比較することは出来ません。この映像は円熟期を少し過ぎた2人の踊りに興味がある方の為の映像だと思います(過度の期待は危険!)。しかし伝説のフラッチのジゼルの表現は細やかで大変美しい。彼女のウィリーは「愛」でも「透明感」でもなく「哀しみ」を表現し続けているように思えました。ヌレエフのアルブレヒトは、他の映像でもそうですが、リアリティのある「現実の貴族」という感じがします。確かに現実には貴族と村娘、貴族にとっての“恋”はお遊びの一つであった時代のお話ですからね。これはこれで納得のアルブレヒトです。
バレエ団のレベルもいま一つですので、バレエ鑑賞初心者にはお勧めしないビデオです。

 いつも思うのですが、古い時代のカーテンコール・サービスってちょっとやり過ぎな気がします。物語の流れが止まってしまうので、とても残念。この映像など、疲れて膝をついたアルブレヒトが立ち上がって声援に応えてまた仰臥するというオドロキの姿でした!

 直輸入版のDVDは既に廃盤のようですが、嬉しいことにディアゴスティーニよりDVD付き解説本が出ています。


 



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