数と、足と腕のポジション


 バレエの基本的な決まり事についてまとめてみました。日本のバレエ教室では先生やお教室毎に方言のような独自性があります。 こちらに書いてあるのはごく一般的な内容ですので、参考程度に留めて下さい。(チェケッティ・メソッドについては資料がなかったので記載していません。)
※ 画像は正確ではありません。あくまでイメージとしてご覧下さい。

 <数の数え方>   <足のポジション>    <腕のポジション>   


<数の数え方>
 まずはフランス語での数の数え方を知りましょう。
仏語アン
(un,une)
ドゥ
(due,duex)
トロワ
(trois)
キャトル
(quatre)
サンク
(cinq)
シス
(six)
セット
(sept)
ユイット
(huit)
英語ワン
(one)
トゥ
(two)
スリー
(three)
フォー
(four)
ファイブ
(five)
シックス
(six)
セブン
(seven)
エイト
(eight)

 次は序数と呼ばれるカウントです。フランス語は赤文字の数を覚える程度で大丈夫です。英語は全て覚えましょう。大抵は足のポジションを表す時に使用されます。
第1番第2番第3番第4番第5番
仏語プルミエール
(premiere)
ドゥジエム
(deuxieme)
スゴンド
(seconde)
トルワジエム
(troisieme)
ティエルス
(tierce)
キャトリエム
(quatrieme)
サンキエム
(cinquieme)
英語ファースト
(first)
セカンド
(second)
サード
(third)
フォース
(fourth)
フィフス
(fifth)

第6番第7番第8番
ジジエム
(sixieme)
セティエム
(septieme)
ユイティエム
(huitieme)
シックス
(sixth)
セブンス
(seventh)
エイス
(eighth)

※ 第2番を表す“スゴンド”は“アラスゴンド”と覚えてしまって大丈夫です。“アラスゴンド”と指示される時は大抵足や腕のポジションについて言われます。


<足のポジション>
 足のポジションは万国共通で、基本は1〜5番まで定められています。
1番 2番 3番 4番 5番
(※画像では異なっていますが5番では左右の爪先と踵は重ね合わせるのが理想です。←ロシア派の場合)

上記以外にも下記のような足のポジションがあります。
6番
(パラレル)
(バランシン・プラス)
(Bプラス、アチチュード・アテール)

 足のポジションは17世紀のフランスで舞踏教師のピエール・ボーシャンが定めたと言われています。足指と足裏の3点でしっかりと床を押し、膝裏側のラインを引き上げます。膝と爪先の向きはほぼ同じ方向へ向け、無理なターンアウトは行わないことが大切です。 (古い教本によると足のポジションが定められた当初は爪先の開きは180度ではなかったようです。初期のダンサー達にはまだ180度の開脚は無理だったのでしょうね。)
 第3ポジションは主に民族舞踊などのキャラクターダンスの時に使用されるポジションです。5番の訓練で3番の訓練を兼ねられるので、バーでは3番の訓練は通常は行いません。
 RADメソッドでは第4ポジションは正確には3番ポジションから開く4番と、5番ポジションから開く4番がありますが、通常は5番から開く4番を第4ポジションとして下さい。

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<腕のポジション>
 腕のポジションは番号で覚えても日本ではあまり意味がありません。赤文字で書かれた名称の方を覚えて下さい。

【オペラ座・メソッド】
 オペラ座メソッドでの腕のポジションは足のポジションとセットで定められています。上記と合わせてご覧下さい。
1番
(アン・ナヴァン)
en avant:前方に
2番
(ア・ラ・スゴンド)
a la seconde:2番目の
3番


4番


5番
(アン・オー)
en haut:上に

6番
※足はパラレル

(ドゥ・ブラ)
de bras
(チェケッティの3番)
準備
(アン・バ)
en bas:下に
※チェケッティの3番はチェケッティ・メソッドの第3アラベスクの腕の形から引用されています。この形を「第4」や「4番の変形」と呼ばれる先生もいらっしゃいます。



【ワガノワ・メソッド】
準備
(アン・バ)
1番
(アン・ナヴァン)
2番
(ア・ラ・スゴンド)
3番
(アン・オー)


【RAD(Royal Academy of Dance)・メソッド】
準備
(ブラ・バ)
bras bas
(アン・バと同じ)
1番
(アン・ナヴァン)
2番
(ア・ラ・スゴンド)
3番


4番
横の腕を前へ置く事もある
5番
(アン・オー)
(ドゥミ・セコンド)
demi second
(ドゥミ・スゴンド)
手の平は下
(ドゥミ・ブラ)
demi bras
手の平は上


※ 上記以外にもメソッドに関係なく、両手を外に向ける“アロンジェ”(allonge)などがあり、形は左図以外にも色々な腕の形があります。



 腕のポジションでの肘の角度や手の向き等はメソッドや先生によって多少の違いがあります。また、シルフィード等のロマンチック時代での肘や胸の向きなどにも特徴があったりします。腕のポジションはそれだけで独立している物ではなく、顔や胸の動きと連動して形作られます。ポール・ド・ブラ(腕の形や腕の運び:上半身の使い方)とエポールマン(肩や上半身の捻り)はクラシック・バレエの美の神髄です。注意深く先生と同じ形を作れるように訓練して行きましょう。背中や脇の筋肉を上手に使って下さい。

 次は方向と身体と脚の向きのページへ続きます。

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