脚は関節から抜く


 「脚を関節から抜く」。 当たり前ですが脚は自分の力では関節から抜けません。
特に股関節というのは関節の中でも一番抜けない部分で、抜けるくらいなら関節を骨折する方が先だそうです。ここでいう“抜く”というのは「抜けるほど遠くへ伸ばす」という意味ですが、 まさに「関節から抜けた!」という感覚になって、はじめて脚は軽く動かす事が出来るようになるのです。

 脚が股関節から“抜ける”と、脚は急に軽くなり、アン・ドゥオールもより回るようになります。 タンジュやデガジェでも感じることは出来ますが、一番効果を感じ易いのは90度の高さのグラン・ロン・ド・ジャンブ(グラン・ロンデ)を行う時だと思います。抜かずにグラン・ロンデを行うと外腿に大きな負担を感じますが、抜くように行うと脚の内側の力が充分に発揮され、大変楽に脚を回せるようになり、気持ちがいい!と感じるくらいに脚の伸びを感じます。

ではその感覚を感じてみましょう。


この図では脚が垂直に上がっていませんが、片脚は垂直に上げ、軸足は出来るだけ腿からアン・ドゥオールにして下さい。


  1. 仰向けに寝て脚同士をつけて下さい。両脚を伸ばしてアン・ドゥオールの状態にします。
  2. 片足を天井へ向かって、床と垂直になるように伸ばします。この時の両側のお尻は床にきちんとつけて置きます。
  3. 両脚共かかとを爪先の方へ強く引っ張りながら、上の脚だけ骨を中心に自転する様に左右に回します。内腿を意識できる方はなるべく脚の付け根に近い内腿の筋肉で脚を回して下さい。まだ感じられない方は踵を意識して動かして下さい。動かしながら脚を遠くへ伸ばし続けます。外側へ向けた時の方が内側へ向けた時より、内側の筋肉を棒のように強く感じて、より遠くへ伸ばせる感覚を感じることが出来ますか? その外側へ向けた時の感覚が「抜けた」という感覚なのです。

これは内腿の筋肉で動かしていないと正確に感じることは出来ません。
繰り返し訓練することで、内腿の感覚や抜けた感覚を探れるようになって下さい。
時々外腿を握ってみて、外腿の筋肉が固く緊張していなければOKです!

この例では脚を伸ばして行いましたが、これはパッセやデべロッペ等、膝を曲げる時でも、 膝を遠くへ引っ張って、脚を骨盤から抜く意識が必要です。
但し、立ってこの動作を行う為には骨盤と軸足側の安定が不可欠です。それらを先に整える意識をして下さい。 軸足も同じように骨盤から抜いて立つ努力をします。(軸足を限りなく長くして立つ。)

マスター出来れば、デベロッペやグランバットマン、アラベスクなど、“たとえ脚が太くても!” だいぶ楽に行うことが出来るようになりますよ!


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